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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第九十八話 限界

 黒幕の力はさらに増大し、シエル達を追い詰めていきます。


 それでも彼女達は諦めません。


 守るべきものがあるのですから。

 「私はまだ完成していない」


 その言葉と共に。


 黒幕の身体がさらに膨張した。


 黒い霧が渦を巻く。


 増殖した腕。


 巨大な翼。


 そして額から黒い角が突き出した。


「おいおい……」


 ユウトが顔を引きつらせる。


「まだ変わるのかよ」


「本当にしつこいっすね」


 シアも呆れたように呟く。


 だがその表情には余裕がなかった。


 次の瞬間黒幕が消えた。



 ドォォォォォン!!



「ぐっ!」


 シエルの身体が吹き飛ぶ。


 地面を何十メートルも滑る。


「シエル!」


 ユウトが叫ぶ。


 すぐに立ち上がる。


 だが肩から血が流れていた。


 今までで最も深い傷。


「大丈夫よ」


 そう言う声も少し苦しそうだった。


 黒幕は止まらない。


 次の標的はシア。


 増殖した腕が襲い掛かる。


 避ける


 受ける


 反撃する


 だが手数が多すぎる。



 ドゴォォォッ!!



「っすぅ!?」


 シアが吹き飛ばされた。


 大地が砕ける


 砂煙が舞う


 そしてシアは膝をついた。


 初めてだった。


 黒龍が膝をついたのは。


「シア!」


「大丈夫……じゃないっすね」


 それでも笑う。


 だが口元の血は隠せない。


 レオンが剣を握る。


「私も出る!」


 飛び出す。


 鋭い斬撃。


 騎士団でも上位の実力。


 だが黒幕は片手で受け止めた。


「弱い」


 その一言。


 そしてレオンも吹き飛んだ。


 地面へ叩きつけられる。


「がはっ……!」


 戦力にならない。


 その現実が重い。



 静寂。



 黒幕はゆっくりと歩き出す。


 その姿を見てシエルとシアは視線を交わした。


「……」


「……」


 二人だけに分かる会話。


 そしてシエルが小さく息を吐いた。


「仕方ないわね」


 シアも苦笑する。


「バレるっすよ?」


 ユウトが首を傾げる。


「何が?」


 二人は答えない。


 ただゆっくりと前へ出た。


「ユウト」


 シエルが呼ぶ。


「少しだけ驚かないで」


「いやその前振りで驚くなは無理だろ」


 ユウトが即答した。


 シアが笑う。


「それもそうっすね」


 そして二人の身体から膨大な魔力が溢れ始めた。

 第九十八話をお読みいただきありがとうございました!


 シエルとシアですら押し込まれるほどに強化された黒幕。


 レオンも加勢しますが、状況は好転しません。


 しかし二人はまだ何かを隠しているようです。


 次回、その秘密が明かされるかもしれません。


 それではまた次回!

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