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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第九十四話 禁忌の先へ

 黒幕による追加投与。


 禁忌の先へ踏み込んだ研究者は、さらなる力を求めて変貌を続けます。

 注射器が首へ突き刺さる。



 グシャァッ!!



 黒い液体が男の体内へ流れ込んだ。


 一瞬の静寂。


 そして



「アァァァァァァァァァッ!!」



 絶叫。


 研究所全体が震える。


 男の身体が異常な速度で変化を始めた。



 筋肉が膨張する


 骨格が軋む


 黒い鱗が全身を覆い始める



「おいおい……これはヤバくないか?」


 ユウトが顔を引きつらせた。


「それ絶対やっちゃ駄目なやつだろ」


「同感っす」


 シアも珍しく真顔だった。


 だが男は笑っていた。


 苦しみながら


 身体が崩れながら


 それでも


「素晴らしい……」


 恍惚とした表情。


「これです」


「私はこの先を見たかった」


 その姿にレオンですら嫌悪感を隠せない。


「狂っている……」


 男は答えない。


 いや、聞こえていないのかもしれない。


 研究への執着だけが残っている。


 そして背中から何かが飛び出した。



 ブチブチブチッ――



 肉を裂きながら生える巨大な翼


 不完全


 歪


 だが圧倒的だった



「来るっ!」


 シエルが叫ぶ。


 次の瞬間男が消えた。


 いや。


 速すぎて見えなかった。



 ドゴォォォォォン!!



 シアの身体が吹き飛ぶ。


「シア!」


 ユウトが叫ぶ。


 壁を突き破りながら転がる。


 だがシアはすぐに立ち上がった。


「いててっす……」


 しかし口元から血が流れている。


 初めてだった。


 この戦いで明確なダメージを受けたのは。


「速い……!」


 シエルが剣を構える。


 だが男は止まらない。


 黒い残像を引きながら突っ込んでくる。


 剣と爪が激突する。



 ガキィィィン!!



 衝撃


 シエルの身体が数メートル後退する。


「そんな……」


 レオンが息を呑む。


 さっきまで押していた二人が


 今は押されている。


 完全に


「ふふっ……」


 男が笑う。


 だがその顔はもはや人間のものではなかった。


「まだです!まだ足りない」


 全員の背筋が凍る。


 今のでまだ完成じゃない。


 そう言っているのだ。


「マジかよ……」


 ユウトが呟く。


 嫌な予感しかしなかった。

 第九十四話をお読みいただきありがとうございました!


 終焉因子を追加投与した黒幕。


 その力はシエルとシアをも押し返し始めました。


 しかし彼自身も、すでに人としての限界を超えつつあります。


 次回、研究所そのものを巻き込む異変が起こります。


 それではまた次回!

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