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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第九十話 研究者の執念

 ついに姿を現した研究所の黒幕。


 No.1の悲劇を生み出した張本人との対峙が始まります。

 ドゴォォォォォン!!



 黒ローブの男が壁へ叩きつけられる。


 石壁に大きな亀裂が走った。



 静寂。



「ちょっと殴ってもいいか?」


 ユウトが拳を下ろしながら言った。


「主……」


 シアが呆れたように口を開く。


「もう殴ってるっす」


 誰も反論できなかった。


「……あ」


 ユウトも今気付いたような顔をした。


「まぁ細かいことはいいだろ」


「相手は多分よくないっす」


 シアのツッコミが飛ぶ。


 だがその空気は長く続かなかった。


 パラパラと瓦礫が崩れ落ちる。


 そして壁へめり込んでいた男がゆっくりと立ち上がった。


 まるで何事もなかったかのように。


「素晴らしい」


 男は笑っていた。


「実に素晴らしい」


 その口元から血が流れている。


 だが苦痛も怒りもない。


 あるのは興味だけだった。


「普通の人間なら死んでるぞ」


 レオンが剣を構える。


「もちろん普通ではありませんから」


 男はあっさりと言った。


「私は研究者ですよ?」


「意味が分からん」


 ユウトが即座に返す。


 シアが何度も頷いていた。


「あーしもそう思うっす」


 男は楽しそうに笑う。


「終焉因子」


 その言葉に空気が変わった。


「人を次の段階へ導く力」


「限界を超えた進化」


「死を超越する可能性」


 男の瞳が怪しく輝く。


「No.1は失敗でした」


「だが君は違う」


 視線がユウトへ向く。


 その目に宿るのは執着。狂気。


「君は完成形だ」


 ユウトの背筋に嫌な寒気が走った。


「断る」


 即答だった。


「まだ何も言ってませんよ?」


「聞く必要あるか?」


 ユウトが顔をしかめる。


「絶対ろくでもないだろ」


 シエルとシアが深く頷いた。


「その通りね」


「間違いないっす」


 男は小さく肩をすくめた。


「残念です」


 だがその笑みは消えない。


「では予定通り」


 男が指を鳴らした。


 その瞬間研究所全体が激しく揺れる。



 ゴゴゴゴゴゴゴ……



「なっ!?」


 レオンが周囲を見回す。


 床に巨大な魔法陣が浮かび上がっていた。


 男は静かに笑う。


「それでは第二実験を開始しましょう」


 その言葉と共に男の周りから黒い霧が溢れ始めた。

 第九十話をお読みいただきありがとうございました!


 ついに黒幕との対面となりました。


 被験体達を生み出した研究者。


 そして彼が口にした「第二実験」とは。


 それではまた次回!

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