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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第八十五話 百年前の記憶

 暴走する被験体No.1へ手を伸ばしたユウト。


 その瞬間、彼の中へ流れ込んできたのは百年前の記憶でした。

 ユウトの手がNo.1へ伸びる。


 黒い霧が渦巻く。


 誰も止められない。


「ユウト!」


 シエルの叫びが聞こえた。


 だがユウトは止まらない。


 そして――


 触れた


 No.1の身体に。



《純粋な終焉因子を供給開始》


 補佐機構の声が響く。



 その瞬間だった。


 世界が反転する。


「――っ!?」


 視界が白く染まった。





 眩しい日差し。


 青い空。


 子供達の笑い声。


「兄ちゃん!」


 小さな女の子が駆け寄ってくる。


 その先にいたのは一人の青年だった。


 優しそうな笑顔。


 力仕事で鍛えられた身体。


 そしてどこかNo.1に似た面影。


(まさか……)


 ユウトは息を呑む。


 青年は妹を抱き上げた。


「危ないだろ?」


「えへへー!」


 無邪気な笑顔。


 周囲の村人達も笑っている平和な光景だった。


「これはいったい…あいつの記憶?」


 ユウトは呟いた。


 その時だった。


 村へ数人の研究員がやって来る。



 白衣。


 そして胸元の紋章。


 終焉竜研究所。



「あなたにお願いがあります」


 研究員が頭を下げる。


「村を救うためです」


 青年は戸惑っていた。


 だが。


「皆を守れるなら」


 静かに頷いた。



 そして場面が変わる。



 研究所。


 実験台。


 苦痛。


 悲鳴。


 薬品。


 終焉因子。



 断片的な映像が流れ込む。


「成功です!」


「適合率過去最高!」


「No.1だ!」


 研究員達が歓喜していた。


 青年も笑っていた。


 自分が村を救えると信じて。


 だがその笑顔は長く続かなかった。



 最後に見えたのは。


 燃え盛る炎だった。


 そして涙を流す青年の姿。


「やめろ……」


 震える声。


「頼む……」


 絶望に満ちた表情。


 その先に何があったのかユウトはまだ見ていない。


 だが分かってしまった。


 これから見る記憶こそがNo.1を百年以上苦しめ続けた地獄なのだと。





 気付けばユウトは再び研究所に立っていた。


 No.1の瞳から涙が流れている。


 そしてその口が僅かに動いた。


「……たす……けて……」

 第八十五話をお読みいただきありがとうございました!


 No.1の記憶の断片が明らかになりました。


 村を想い、人々を守ろうとした青年。


 しかし彼を待っていたのは、あまりにも残酷な運命だったようです。


 次回、百年前の悲劇の真相が語られます。


 それではまた次回!

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