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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第八十一話 被験体No.1

 研究所の奥で発見した複数の生命反応。


 それは終焉因子によって歪められた被験体達でした。


 しかし、彼らが恐れる存在がさらに奥で待ち受けているようで――。

 まるで獣の瞳のような赤い光。


 それが暗闇の奥で静かに揺れていた。



 ドン……


 ドン……


 ドン……



 重い足音が近付いてくる。


 その度に空気が震えるようだった。


「来るぞ」


 レオンが剣を構える。


 シエルとシアも戦闘態勢に入った。


 やがて暗闇からその姿が現れる。


「……なんだよあれ」


 ユウトが息を呑む。


 巨大だった。


 二メートルを軽く超える巨体。


 全身を灰色の皮膚が覆っている。


 筋肉は異常なほど膨れ上がり。


 右腕は人間の倍以上の大きさになっていた。


 だが最も異様だったのは首元だった。


 そこには古びた金属製の札。



【被験体No.1】



 沈黙。


「一番最初の実験体……ということか」


 レオンが呟く。


「いや」


 老人が首を振る。


「違う」


 その声は震えていた。


「最初の成功体じゃ」


 全員の表情が変わる。


「成功体?あれが?」


 シエルが眉をひそめる。


「あぁ」


 老人は苦々しく答えた。


「研究者共が歓喜した存在じゃ」


「終焉因子との適合率が最も高かった」


「じゃが……」



 一拍。



「最初に壊れた」


 その瞬間だった。


 No.1の赤い瞳がこちらを向く。


「ッ!」


 嫌な寒気が走る。


 次の瞬間。


 ドォン!!


 床が砕けた。


「速っ!?」


 ユウトの目が見開かれる。



 一瞬だった。



 No.1がレオンの目の前に現れる。


「なっ!?」


 レオンが剣を構える。


 だが間に合わない。


 巨大な拳が振り下ろされる。


 その時。


「させない!」


 シエルが飛び込んだ。


 剣と拳が激突する。



 ガァン!!



 衝撃が広がる。


 だがシエルの身体が吹き飛ばされた。


「シエル!」


 ユウトが叫ぶ。


 壁へ叩き付けられる直前。


 シアが受け止めた。


「冗談じゃないっすよ……」


 シアの顔から笑みが消えている。


 それだけで強さが分かった。


 今までの被験体とは格が違う。


 No.1はゆっくりと周囲を見回した。


 そしてその赤い瞳がユウトで止まる。



 ピクリ。



 No.1の身体が震えた。


「……?」


 ユウトが首を傾げる。


 するとNo.1の口が僅かに動いた。


「オ……」


 かすれた声。


 誰も聞き取れない。


 だが補佐機構だけは反応した。



《警告》


《対象が終焉因子に反応》



 ユウトの顔が引きつる。


 嫌な予感しかしなかった。


 No.1は再び拳を握る。


 そして低い唸り声を上げた。


「グォォォォォォォ!!」


 研究所全体が震える。


 終焉同士の戦いの幕が上がった。

 第八十一話をお読みいただきありがとうございました!


 被験体達すら恐れる存在が姿を現しました。


 研究所が百年前に滅びた理由。


 そして終焉因子の真実も少しずつ見えてきています。


 次回は被験体No.1との対峙です。


 それではまた次回!

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