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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第七十九話 失敗作

 終焉竜研究所の奥へと進むユウト達。


 そこで待っていたのは、百年前の実験の成れの果てでした。

 ゆっくりと何かがこちらへ近付いてきていた。



 ギィ……



 不気味な音が響く。


 まるで錆びた関節を無理やり動かしているようだった。


「来るぞ」


 レオンが剣を構える。


 シエルとシアも警戒を強める。


 やがて暗闇の中からその姿が現れた。


「……人間?」


 ユウトが呟く。


 それは人型だった。


 だが人間ではない。



 肌は灰色。


 片腕は異様に肥大化している。


 目は虚ろ。


 そして首には古びた金属製の札が下がっていた。



【被験体No.17】



「被験体……」


 レオンの表情が険しくなる。


 百年前の実験体。


 そんなものが生きているはずがない。


 だが目の前の存在は確かに動いていた。


「グ……」


 低い唸り声。


 次の瞬間。


 被験体が飛び出した。


「速い!」


 レオンが迎撃する。


 剣と巨大な腕が激突した。



 ガキィン!



 金属同士がぶつかったような音が響く。


「なっ!?」


 レオンが目を見開く。


 腕が硬すぎる。


 人間とは思えない。


 その隙にシエルが横から踏み込む。


「はぁっ!」


 鋭い一撃。


 だが被験体は倒れない。


 身体を捻り強引に反撃してくる。


「ちっ」


 シエルが距離を取る。


「面倒っすね!」


 シアが飛び出した。


 拳が被験体の腹へ突き刺さる。



 ドゴォッ!!



 轟音。


 被験体の身体が吹き飛ぶ。


 壁へ叩き付けられた。


 勝負は決まった。


 そう思った瞬間。


「……やっぱりまだ動くよな」


 ユウトが苦笑いしながら呟いた。


 被験体は立ち上がった。


 だが様子がおかしい。


 身体が崩れ始めていた。


「ガ……」


 かすれた声。


 そして


「……た……す……け……」


 誰も動けなかった。


 今、確かに言葉を発した。


「まさか」


 シエルが息を呑む。


 被験体の瞳に一瞬だけ理性が戻っていた。


「たす……け……」


 それが最後だった。


 被験体の身体は崩れ落ちる。


 そして二度と動くことはなかった。


 重い沈黙が流れる。


「これが……」


 レオンが呟く。


「終焉因子の末路じゃ」


 老人が静かに答えた。


 誰も言葉を返せなかった。


 その時補佐機構が反応する。



《警告》


《生命反応を複数確認》



 ユウトの顔が引きつる。


「おいおい…まさか…冗談だろ……」


 嫌な予感しかしない。



《反応数》


《二十三》



 研究所の奥から大勢の足音が響き始めた。

 第七十九話をお読みいただきありがとうございました!


 研究所で初めて遭遇した実験体。


 それは単なる魔物ではなく、終焉因子によって歪められた被害者でもありました。


 そして研究所の奥には、まだ多くの反応が残されているようです。


 それではまた次回!

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