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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第七十三話 廃村の老人

 ついに辿り着いた廃村。


 そこで待っていたのは、一人の不思議な老人でした。


 そして老人は、百年前の出来事を知っているようで――。

 井戸の上に立つ老人。


 誰も動かなかった。


 いや。



 動けなかった。



 気配がなかったのだ。


 補佐機構に言われなければ誰も存在に気付けなかっただろう。


「誰だ」


 レオンが前へ出る。


 老人はゆっくりとこちらを見る。



 白髪。


 深い皺。


 年齢は分からない。


 だがその目だけは妙に鋭かった。


「それはこちらの台詞じゃな」


 老人が口を開く。


「こんな場所に何の用じゃ」


 その声は不思議とよく通った。


「調査だ」


 レオンが答える。


「ギルド本部の者だ」


 身分証を見せる。


 老人はちらりと見る。


「ふむ」


 それだけだった。


 全く驚いた様子がない。


「で?」


続けて老人が問いた。


「終焉竜研究所について調べている」


 その瞬間だった。


 老人の表情が変わる。


 ほんの僅かだが確かに変わった。


「……ほう」


 空気が重くなる。


「知っているのか?」


 レオンが問う。


 老人は答えない。


 代わりにゆっくりと空を見上げた。


「帰れ」


 短い言葉だった。


「何?」


 ユウトが眉をひそめる。


「帰れと言った」


 老人は繰り返す。


「あそこへ行けば死ぬ」


 シアが顔をしかめた。


「脅しっすか?」


「事実じゃ」


 即答だった。


 妙な説得力がある。


「理由は?」


 今度はシエルが尋ねる。


 老人はしばらく黙る。


 そして。


「儂は見た」


 低い声。


「村が滅ぶところを」


 全員が息を呑んだ。


「百年以上前、研究所から流れ出た黒い霧が全てを飲み込んだ」


 黒い霧。


 ユウト達は顔を見合わせた。


 今回の事件と同じだ。


「馬鹿な」


 レオンが呟く。


「百年前でお前はなぜ今もここにいる?」


 当然の疑問だった。


 百年以上前を見た?


 そんなはずがない。


 老人は少し笑った。


「そう思うじゃろうな」


 その笑みはどこか寂しげだった。


「だが事実じゃ」


 その時補佐機構が反応する。



《警告》


 嫌な予感しかしない。


《対象の魔力量を再測定》



 「おいやめろ」


 嫌な予感しかしない。



《測定完了》


 そして表示された文字を見てユウトは固まった。


《測定不能》



「は?」


 思わず声が漏れた。


 今までそんな表示は見たことがない。


 老人はそんなユウトを見て。


 小さく笑った。


「面白い子じゃな」


 まるで何かに気付いているかのように。

 第七十三話をお読みいただきありがとうございました!


 廃村で出会った謎の老人。


 どうやら終焉竜研究所について何か知っているようです。


 そして補佐機構でも測定できない存在とは……?


 それではまた次回!

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