第七十一話 出発の朝
終焉竜研究所へ繋がる手掛かりを得たユウト達。
ついに王都を出発します。
新たな旅の始まりです。
翌朝ユウト達はギルド本部の前に集まっていた。
「眠い……」
ユウトが欠伸をする。
「昨日は早く寝ろと言ったはずよ」
シエルが呆れたように言う。
「ちゃんと寝たぞ」
「何時間?」
「三時間」
「寝てないじゃない」
即答だった。
昨夜は研究所のことが気になってしまったのだ。
仕方ない。
「主は子供っすからね」
シアが頷く。
「お前とそんなに変わらないだろ」
「精神年齢の話っす」
「余計なお世話だ」
そんなやり取りをしていると。
「揃ったようだな」
レオンが現れた。
背中には大きな荷物。
腰には剣。
完全に遠征装備だった。
「荷物多くないか?」
ユウトが率直な感想を述べる。
「野営道具だ」
レオンは真顔だった。
「保存食もある!水もある!予備装備もある!」
「真面目っすね」
シアが感心したように言う。
「お前達が適当すぎるんだ」
レオンの反論は正しかった。
ユウトは手ぶらだった。
「お前本当に冒険者か?」
「多分な」
「多分とは」
レオンが頭を抱えた。
◇
その時。
「出発前に少しよいか」
エルドが姿を見せる。
全員の視線が向く。
「研究所について一つだけ分かったことがある」
「何だ?」
レオンが問う。
「百年前、研究所の最後の記録だ」
空気が変わった。
「そこにはこう記されていた」
エルドは静かに告げる。
◇
『終焉は目覚める』
◇
短い一文。
だが妙な重みがあった。
「終焉竜のことか?」
ユウトが尋ねる。
「分からん」
エルドは首を振る。
「だが気を付けろ。研究所が残っているならそこには百年前の狂気も残っている」
誰も軽口を叩かなかった。
それほど真剣な声音だった。
「肝に銘じておこう」
レオンが答える。
エルドは小さく頷いた。
「無事に帰ってこい」
その言葉を最後に。
ユウト達は王都を後にした。
巨大な城壁を抜ける。
広い街道を進む。
遠くには山脈が見えていた。
終焉竜研究所があるかもしれない場所。
第一歩を踏み出したその時。
補佐機構が反応した。
◇
《高濃度魔力反応を検知》
◇
「は?」
思わず声が出る。
◇
《方角を特定》
《目標地点と一致》
◇
ユウトの表情が変わった。
どうやら目的地は本当に存在しているらしい。
第七十一話をお読みいただきありがとうございました!
研究所探索へ向けていよいよ出発です。
レオンも正式に同行することになりました。
そして補佐機構による不穏な反応も……。
それではまた次回!




