第七十話 消えた研究所
終焉竜研究所。
百年以上前に消滅したはずの施設。
その手掛かりを求め、ユウト達は次なる目的地へ向かうことになります。
部屋には重い空気が流れていた。
「百年以上前に消滅した施設だ」
エルドの言葉が頭から離れない。
「つまり」
ユウトが口を開く。
「場所は分からないってことか?」
「あぁ」
エルドは頷いた。
「少なくとも現在の地図には存在しない」
「ですよねー」
ユウトは肩を落とした。
そんな都合よく場所が分かるはずもない。
「だが」
レオンが口を開く。
「候補地ならある」
全員の視線が集まる。
「あるのか?」
「あぁ」
レオンは頷いた。
「百年以上前の記録を調べた」
「終焉竜研究所そのものの場所は残っていない」
「だが」
◇
一拍
◇
「研究員達が出入りしていた村の記録があった」
「村?」
シアが首を傾げる。
「現在は廃村になっている」
「お約束っすね」
「お約束なのか?」
ユウトがツッコんだ。
シアは元気よく頷く。
「怪しい研究所!廃村!絶対何かあるっす!」
「否定できないな……」
実際その通りだった。
その時。
レオンが机に地図を広げる。
「ここだ」
指差した先。
王都から数日かかるであろう程に離れた山岳地帯。
地図の端に近い場所だった。
「遠いな」
「馬で三日」
レオンが答える。
「だが最も可能性が高い」
エルドも頷く。
「もし研究所が現存するとすれば」
「人目につかぬ場所だろう」
「なるほどね」
ユウトも納得した。
禁忌研究だ
堂々と街中にあるはずがない。
「それで」
シアが手を挙げる。
「行くんすよね?」
「行くしかないだろ」
ユウトは即答した。
ここまで来て引き返す理由はない。
◇
黒い霧。
結晶。
黒ローブの男。
◇
全ての手掛かりがそこに繋がっている。
「決まりね」
シエルも頷く。
その時だった。
レオンが腕を組む。
「俺も同行する」
「え?」
ユウトが目を瞬かせた。
「副長だろ?」
「だからだ」
レオンは真っ直ぐ答える。
「これはギルド本部の問題でもある」
「それに、俺自身確かめたいことがある」
その表情は真剣だった。
どうやら今回の旅は四人になりそうだった。
そして誰も気付いていない。
◇
その頃遠く離れた山岳地帯の地下。
黒いローブの男が静かに笑っていた。
「ようやく動き出したか」
低い声が闇に響く。
「終焉よ」
その視線はまるで誰かを見ているようだった。
第七十話をお読みいただきありがとうございました!
ついに終焉竜研究所へ繋がる手掛かりが見つかりました。
次なる舞台は山岳地帯にある廃村です。
そして黒ローブの男も動き出したようです。
それではまた次回!




