第六十二話 魔力汚染核
暴走した調査員。
そして見つかった魔力汚染核。
少しずつですが、解決への糸口が見えてきました。
隔離区画の空気は重かった。
黒い霧が調査員の身体から溢れ続けている。
その中でユウトだけが別のものを見ていた。
補佐機構の表示。
◇
《位置を特定中》
◇
その文字が変化する。
◇
《特定完了》
◇
「お?」
思わず声が漏れた。
「何か分かったの?」
シエルが尋ねる。
「あぁ」
ユウトは調査員を見る。
「黒い霧の中に核があるらしい」
「核?」
レオンが眉をひそめた。
「汚染の中心だってさ」
もちろん補佐機構の話はできない。
なので適当に誤魔化した。
「勘だ」
「便利な勘だな」
レオンは呆れた。
最近よく言われる。
その時補佐機構の表示が切り替わる。
◇
《推定位置:胸部》
◇
「胸?」
ユウトは調査員を見る。
確かに黒い霧は胸の辺りから特に濃く漏れていた。
「何かあるのかもしれないわね」
シエルも気付いたらしい。
「なら取り出せば終わりっす?」
シアが言う。
「そんな簡単なら苦労しないだろ」
ユウトがツッコむ。
だが次の瞬間、調査員が苦しそうに胸を押さえた。
「グアアアア!!」
黒い霧が暴れる。
まるで核を守ろうとしているようだった。
「反応した」
レオンが剣へ手をかける。
「近付くな!」
その判断は正しかった。
◇
直後。
ドォォォン!!
黒い魔力が爆発した。
衝撃が隔離区画を揺らす。
「くっ!」
ユウト達は咄嗟に距離を取る。
爆発が収まる。
だが調査員の姿は変わっていた。
「おいおい……また腕が増えたりしないよな…」
ユウトが顔を引きつらせる。
身体がさらに異形化している。
腕は肥大化し黒い角のようなものまで生えていた。
「進行してる」
シエルの声が険しい。
「時間がないわ」
レオンも頷いた。
「助けるなら急がなければならん」
その時だった。
補佐機構が再び反応する。
◇
《魔力汚染核への干渉手段を検索》
◇
「検索?」
ユウトが思わず呟く。
さらに文字が続く。
◇
《該当候補を確認》
《聖属性エネルギーとの高い反発を確認》
◇
ユウトとシエルの目が同時に見開かれた。
「シエル」
「えぇ」
二人は同じ結論に辿り着いていた。
この事件。
シエルの力が鍵になる。
だがどうやって核へ届くのか。
その方法はまだ分からなかった。
第六十二話をお読みいただきありがとうございました!
魔力汚染の中心には核がありました。
そして補佐機構がまた仕事をしました。
最近ちょっと頼もしくなってきた気がします。
それではまた次回!




