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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第六十話 隔離区画

 王都ギルド本部の地下隔離区画。


 そこには暴走した調査員が収容されていました。


 どうやら思っていたより状況は深刻なようです。

 重い扉がゆっくりと開く。


 ギギギ……


 金属が擦れる音が響いた。


 その瞬間だった。


 ユウトは顔をしかめる。


「うわ……」


 嫌な気配が溢れている。


 まるであの黒い霧の中にいるようだった。


「主?」


 シアが不思議そうに見る。


「いる…」


 ユウトは奥を睨む。


「すぐそこに」


 レオンの表情が僅かに変わった。


「本当に分かるのか」


「あぁ」


 嫌でも分かる。


 魔力感知が悲鳴を上げていた。


 そして。


 三人は隔離区画へ足を踏み入れる。


 部屋の中央、そこに男はいた。


 鎖で拘束されている。


 だが普通ではなかった。



「……なんだよあれ」


 ユウトが呟く。


 男の皮膚は黒く変色していた。


 血管のようなものが全身を這っている。


 瞳は真っ黒。


 そして身体から黒い(もや)が漏れていた。


「人間……よね?」


 シアですら少し引いていた。


「元はな…」


 レオンが答える。


「調査員の一人だ」


 その時、男の首がゆっくりと動く。



 ギギッ――



 嫌な音だった。


 そして男の視線がユウトを捉える。


 次の瞬間。


「終焉」


 部屋の空気が凍った。


「見つけた」


 男が笑う。不自然なほど大きく。口角が吊り上がる。


「おい」


 ユウトが眉をひそめる。


「なんで俺を知ってる」


 だが返事はなかった。


 代わりに男の身体が膨れ上がる。


「レオン!」


 シエルが叫ぶ。


「下がって!」


 次の瞬間。



 バキィィィン!!



 鎖が弾け飛んだ。


「なっ!?」


 レオンが目を見開く。


 拘束具が破壊される。


 男の身体から黒い霧が噴き出した。


「グアアアアアアアアア!!」


 もはや人の声ではない。


「主!」


「分かってる!」


 ユウトが前へ出る。


 シアも飛び出した。


「ぶっ飛ばすっす!」


 拳を振り抜く。


 直撃。


 だが男は吹き飛びながらも立ち上がる。


「再生した!?」


 レオンが驚愕する。


 砕けた腕が黒い霧と共に元へ戻っていく。


「やっぱりオーガと同じだ」


 ユウトが舌打ちする。


 その時だった。


 シエルが前へ出る。


「少し試すわ」


「シエル?」


 彼女は男の腕を掴んだ。


 瞬間。



 ジジジッ――



 黒い霧が音を立てる。


「グアァァァァァ!!」


 男が苦しみ始めた。


「なに!?」


 レオンが目を見開く。


 シエル自身も驚いていた。


「やっぱり……」


 黒い霧が薄くなっていく。


 ほんの少しだけ。


 だが確実に弱まっていた。


 そして。


 ユウト達はまだ知らない。


 その力が後に魔力汚染事件の鍵になることを。

 第六十話をお読みいただきありがとうございました!


 魔力汚染された調査員と対面しました。


 シアの拳でも止まりません。


 そしてシエルにだけ変化が起きました。


 それではまた次回!

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