第五十九話 王都ギルド本部
ついに到着した王都。
しかし歓迎ムードとは少し違うようです。
そしてシエルは静かに頭を抱えていました。
王都を歩くことしばらく。
◇
目的地はすぐに見つかった。
「でっか……」
ユウトは思わず呟く。
目の前にそびえる建物。
この街のギルドは大きかった。
だが。
目の前の建物は比較にならない。
「ここが本部よ」
シエルが言う。
「城かと思った」
「ちょっと分かるっす」
シアも頷いていた。
三人はそのまま中へ入る。
瞬間。
受付の女性が立ち上がった。
「しゅ……」
その顔が固まる。
「瞬天様!?」
ギルド内が静まり返った。
「やっぱり本人じゃないか!」
「本物だ!」
「瞬天が帰ってきたぞ!」
ざわっ――
一気に騒がしくなる。
「おい」
ユウトがシエルを見る。
「何よ」
「やっぱりお前の事じゃんよ」
「知らなくていいわ」
「いや、もう無理だろ」
受付嬢まで驚いている。
知らなくていいは通用しない。
「シエルすごかったんすね!有名人っすね!」
「やめなさい」
「瞬天っす!」
「本当にやめなさい」
今日二度目だった。
その時。
「騒ぐな」
低い声が響く。
ざわめきが止まった。
奥から一人の男性が歩いてくる。
四十代ほどで鋭い目つき。
歴戦の冒険者を思わせる雰囲気。
「支部から来た三人だな」
「そうだけど」
「俺は本部副長のレオンだ」
男は短く名乗った。
「話は聞いている」
レオンは周囲を見回す。
「案内する」
その声に先ほどまでの空気が消えた。
ただ事ではない。誰もがそう理解した。
レオンに連れられ三人は本部の奥へ向かう。
◇
やがて。
重い扉の前で足が止まった。
「この先だ」
レオンが言う。
「暴走した調査員は現在ここに隔離されている」
空気が重い。
嫌な気配がする。
そして。
ユウトの魔力感知が反応した。
ぞわり。
背筋に寒気が走る。
「いるな」
思わず呟いた。
レオンが目を細める。
「ほう…分かるのか?」
「あぁ、分かる」
嫌でも分かる。
あの時のオーガと同じだ。
いや、もっと濃い。
もっと嫌な気配。
レオンは重々しく頷いた。
「覚悟しておけ」
一拍。
「今のあれは、もう人間には見えん」
そう言って。
隔離区画の扉が開かれた。
第五十九話をお読みいただきありがとうございました!
王都ギルド本部へ到着しました。
シエルの通り名も完全にバレました。
本人はまだ認めていません。
それではまた次回!




