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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第五十八話 王都へ

 王都からの緊急依頼。


 ユウトたちは初めて王都へ向かいます。


 そして、シエルは少しだけ嫌な予感がしていました。

 王都へ向かう馬車は順調に進んでいた。



「主…暇っす」


 シアが言った。


「まだ出発して三十分だぞ」


「暇っす」


 どうやら変わらないらしい。


 シアは窓から外を眺める。



 森。


 草原。


 たまに村。



 確かに代わり映えはしない。


「王都ってどんなところなんだ?」


 ユウトが尋ねる。


「大きいわよ」


 シエルが答える。


「相変わらず雑だな」


「人も多いし、店も多いわ」


「肉も多いっすか?」


「…多いんじゃないかしら」


「王都最高っす!」


 まだ着いてもいない。


 気が早かった。


 その後も馬車は進み続ける。


 途中、小さな街で休憩を挟み再び王都を目指した。



 そして。


「お前ら、見えてきたぞ」


 御者の声が響く。


 ユウトは窓から顔を出した。


「おぉ……」


 思わず声が漏れる。


 巨大な城壁。


 その向こうに広がる街並み。


 今まで見たどの街よりも大きい。


「マジででかいな!」


「王都っす!」


 シアも興奮していた。



 やがて馬車は門を通り。


 王都へ入る。


 人。


 人。


 人。


 見渡す限り人だった。


「すげぇ……」


 ユウトが辺りを見回す。


 その時だった。


「ん?」


 一人の冒険者が足を止めた。


 視線の先。


 シエルだった。


「おい」


 男が仲間を呼ぶ。


「どうした?」


「あれ……」


 男は目を細める。


「まさか」


 そして。


「瞬天じゃないか?」


 その言葉に。


 周囲の空気が僅かに変わった。


「え?」


「瞬天?」


「本物か?」


「王都を出たって聞いたぞ」


 ざわざわと声が広がっていく。


 ユウトとシアは顔を見合わせた。


「瞬天?」


「瞬天っす?」


 二人とも知らない。


 だが当の本人は。


「・・・気のせいよ」


 平然と歩き続けていた。


「いや絶対本人だろ!」


 後ろから声が飛ぶ。


 しかしシエルは振り返らない。


「おい!瞬天って誰なんだ?」


 ユウトが尋ねる。


「知らなくていいわ」


「気になるじゃねーかよー」


「知らなくていいのよ」


 頑なだった。


 シアがニヤニヤし始める。


「瞬天っすか〜」


「やめなさい」


「瞬天っす!」


「本当にやめなさい」


 シエルの額に青筋が浮かぶ。


 どうやら本当にその呼び名が嫌らしい。


 そんな三人を街角の影から見つめる者がいた。



 黒いローブ。


 その男は静かに呟く。


「対象確認」


 視線はユウトへ向けられていた。


「終焉反応を確認」


 男は懐から小さな魔道具を取り出す。


 そして。


「王都へ到着しました」


 誰かへ報告を送った。


 静かに。


 確実に。


 何かが動き始めていた。

 第五十八話をお読みいただきありがとうございました!


 ついに王都へ到着しました!


 シエルの通り名もバレました。


 本人は認めていません。


 それではまた次回!

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