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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第五十六話 魔力汚染結晶

 黒ローブを追った先で見つけた黒い結晶。


 危険らしいですが、とりあえず持ち帰ることにしました。


 たぶん大丈夫です。

 黒い結晶を前に。


 三人は無言だった。



「で、どうするの?これ」


 最初に口を開いたのはシエルだった。


「どうするって?」


「持ち帰るの?」


 確かに問題だった。


 補佐機構は危険と言っていた。


 だからといって。


 放置するのもどうかと思う。


「主なら持って帰るっす」


「なんでそう思うんだ」


「主だからっす」


 酷い理由だった。


 だが。


「仕方ない。持って帰るか」


「せめてこれに入れておきましょう」


 シエルは小さな革袋を取出した。



 そのままギルドへ戻る。


 受付にはフィーナがいた。


「おや?」


 フィーナが首を傾げる。


「また何かありました?」


「またって何だ」


「最近のユウトさんは大体何か持ってきますから」


「否定できないっす」


「否定できないわね」


 味方がいなかった。


「それで今回は?」


 ユウトは包みを机へ置く。


「これ」


 袋を開くと黒い結晶が姿を現した。


「これは……?」


 フィーナも知らないらしい。


 しばらく観察する。


 だが。


「見たことありません」


 予想通りだった。


「本部に送れるか?」


「それは可能です」


 フィーナは頷く。


「黒い霧の件もありますし、一緒に報告しておきます」


「頼む」


 今のところそれが最善だろう。


 その時だった。


 シエルが結晶へ手を伸ばす。


「ん?」


 指先が触れる。


 次の瞬間。



 ジジッ――



 小さな音が響いた。


「え?」


 結晶の表面が僅かに白くなる。


 だが一瞬だった。


 すぐに元へ戻る。


「今何かした?」


 ユウトが尋ねる。


「分からないわ」


 シエル自身も首を傾げていた。


「でも」


 一拍置く。


「帯びていた魔力が少しだけ弱くなった気がした」


「弱くなった?」


「気のせいかもしれないけど」


 気のせいには思えなかった。


 シエルが触れた瞬間だけ確かに何かが変わった。


 だが。


 今は答えがない。


「本部の返答待ちだな」


「そうね」


「お腹空いたっす」


「シアさんや、ご飯はさっき食べたでしょ?」


「あーしまだそんな年じゃないっす!」


 シアは通常運転だった。



 その頃。


 街の外れ。


 黒ローブの男は通信魔道具を手にしていた。


「結晶は回収されました」


 静かな声。


 そして。


「対象は終焉反応を保持しています」



 沈黙。



 やがて。


 魔道具の向こうから声が響く。


「引き続き監視せよ」


「はっ」


 男は頭を下げる。


 その目はどこか狂気を帯びていた。

 第五十六話をお読みいただきありがとうございました!


 黒い結晶はギルドへ預けました。


 シエルは何か変化に気付きました。


 そしてシアはお腹が空いていました。


 それではまた次回!

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