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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第五十五話 追跡

 黒ローブの人物を追いかけるユウトたち。


 魔力感知が初めて役に立ちそうです。


 たぶんです。

 黒ローブの男を追い。


 三人は街の路地を駆けていた。



「見失わないようにね!」


「誰に言ってるんだ?」


「主っすね」


「俺かよ!」


 男は人混みを縫うように進んでいく。


 だが。


 ユウトには魔力感知があった。


 微かに残る違和感。それを辿る。


「こっちだ!」


 三人は路地へ飛び込んだ。


 だが。


 そこに男の姿はなかった。


「消えた?」


「消えたわね」


「消えたっす」


 三人の意見は一致していた。


「いやおかしいだろ!抜け道なんかなかったぞ?」


 確かに一本道だった。


 隠れる場所もない。


 それなのに消えた。


「魔法かしら」


 シエルが周囲を見る。


「転移?」


「そこまで高度なものじゃないと思うっす」


 シアも珍しく真面目だった。


 その時。


 ユウトの魔力感知が反応する。


「ん?」


 視線を下へ向ける。


 路地裏の隅に何かが落ちていた。


 黒い欠片。


 拳ほどの大きさ。


「これか?」


 拾い上げる。


 冷たい。


 そして。


 妙に嫌な感じがした。


「主…そういうのはむやみに触らない方がいいっす」


 まさかそんなことをシエルではなくシアに言われるとは。


「それ」


「知ってるのか?」


「知らないっす」


「知らないのかよ」


 反射的にツッコんだ。


 だがシアの表情は珍しく真剣だった。


「でも嫌な感じがするっす」


「またそれか」


「今回は本当に嫌な感じなんす」


 いつもそう言っている気がする。


 しかし、シエルも頷いた。


「私も同感ね」


 二人がそう言うなら本当に危険なのだろう。


 その時だった。


 補佐機構が反応する。



 《解析を開始》



「お?」


 珍しかった。


 ユウトが何も頼んでいない。


 それなのに勝手に動いている。



 数秒後。


 表示が切り替わる。



 《魔力汚染結晶》



「結晶?」


 初めて聞く名前だった。


 さらに表示が続く。



 《危険》 《長時間の接触を推奨しません》



「おい!もっと早く言え!」


 慌てて地面へ置く。


「何て?」


 シエルが尋ねる。


「危険らしい」


「でしょうね」


 即答だった。


 そして、ユウトたちは気付かなかった。


 建物の屋根の上。


 黒ローブの男が三人を見下ろしていたことに。



「対象を確認」


 男が呟く。


「終焉の反応あり」


 その声はどこか興奮しているようだった。

 第五十五話をお読みいただきありがとうございました!


 黒ローブは逃げました。


 怪しい結晶は見つかりました。


 そしてユウトはまた危険なものを拾いました。


 それではまた次回!

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