第五十二話 討伐報告
ワイルドオーガ討伐……もとい救出を終えたユウトたち。
久しぶりの街とギルド。
そして今回の依頼報告です。
街へ戻ったユウトたちは。
そのまま冒険者ギルドへ向かった。
◇
扉を開く。
「ただいまもどったぜ!」
ユウトがカウンターの向こう側へ声をかける。
「おかえりなさい!」
真っ先に反応したのはフィーナだった。
そして。
「無事だったんですね……」
心底安心したような顔をする。
「そんなに心配してたのか?」
「しましたよ!」
即答だった。
「危険度Bの依頼なんですよ!?」
「なんかいろいろあって、多分Bどころじゃなかったけどな」
「え?」
「魔物がどんどん進化というか…なんか戦いの中で強くなっちゃってさ」
「そんなことが!?ありえません…」
フィーナの声が響いた。
当然の反応だった。
「なんか腕が増えたり」
「増えた?」
「増えたっす!」
「増えたわね」
三人の意見は一致していた。
◇
フィーナだけが付いて来れていない。
「えっと……」
フィーナが頭を押さえる。
「順番にお願いします」
◇
その後。
三人は今回の出来事を説明した。
黒い霧。
暴走したワイルドオーガ。
そして。
助かったことも。
◇
「討伐……ではないんですね」
フィーナが書類へ視線を落とす。
「どうなるんだ?」
「うーん……」
少し考える。
「本来なら討伐依頼なので失敗扱いなんですが」
「なんですが?」
「事情が事情です」
フィーナは苦笑した。
「一度、調査隊を向かわせて事実確認をしたのちに報酬は支払われると思います」
「おお」
良かった。
依頼失敗で無報酬は悲しい。
「ただ」
フィーナの表情が少し真面目になる。
「黒い霧の件は上に報告します」
「上?」
「ギルド本部です」
なるほど。
それはそうだろう。
あんなものを放置できるとは思えない。
「似たような事例があるか調べてもらいます」
「頼むよ」
正直。
ユウトたちだけで考えても分からない。
専門家に任せるのが一番だった。
その時補佐機構が反応する。
◇
《魔力感知を推奨》
◇
「ん?」
まただった。
「今度は何ですか?」
フィーナが聞く。
「ん?あぁいや何でもない」
ユウトは新しく得たスキルを発動した。
すると世界が少しだけ変わった。
「……お?」
空気の流れのようなものが見える。
人の周囲を漂う淡い光。
そして。
ギルドの奥。
ほんの一瞬だけ。
黒い靄のようなものが見えた。
「……え?」
瞬きをする。
消えた。
「どうしたの?」
シエルが尋ねる。
「いや……」
気のせいだったのか。
それとも。
「何でもない」
だが嫌な予感だけは消えなかった。
第五十二話をお読みいただきありがとうございました!
オーガは助かりました。
報酬も何とかなりそうです。
ですが、黒い霧の件はまだ終わっていないようです。
それではまた次回!




