第五十一話 新たな情報
ワイルドオーガとの戦いは無事に決着。
新たなスキルと、新たな謎。
ユウトたちは街へ戻ることになりました。
《レベルアップを確認》
◇
「増えたぁぁぁ!!」
ユウトの叫びが森へ響く。
「主」
「はい主です」
「もう慣れるべきっす」
「こればかりは…きっと無理だ」
レベルが上がるたびに驚く。
これはきっと一生変わらない。
「それで?」
シエルが話を戻す。
「何が増えたの?」
「まだ見てない」
「見なさいよ」
正論だった。
ユウトは視界に浮かぶ表示へ意識を向ける。
《レベルアップを確認》
《新スキルを獲得》
「お?」
レベルだけではなかった。
「スキル増えた」
「また増えたっす?」
「増えたな」
もう誰も驚かない。
慣れとは恐ろしいものだった。
「で?どんなスキルなのよ?」
シエルが尋ねる。
ユウトは表示を確認する。
◇
《魔力感知》
◇
「魔力感知?」
「便利そうね」
「便利そうっす」
まだ使い方は分からない。
だが。
名前だけなら分かりやすかった。
その時。
後方から低い唸り声が聞こえる。
三人が同時に振り返る。
ワイルドオーガだった。
だが。
もう敵意はない。
苦しそうに息をしながら。
ゆっくりと立ち上がっていた。
「正気に戻ったのか?」
オーガは答えない。
当たり前だった。
だが。
小さく頭を下げた。
「え?礼のつもりか?」
「そぅ…なのかしら」
「そうみたいっすね」
◇
ワイルドオーガはもう一度頭を下げる。
そして。
森の奥へ歩き出した。
「行くのか」
振り返らない。
だが。
どこか軽くなった背中だった。
しばらくして。
その姿は森の中へ消えていった。
静寂が戻る。
◇
「助かったみたいね」
「そうみたいだな」
少しだけ安心した。
その時だった。
補佐機構が反応する。
◇
《新情報を確認》
◇
「ん?」
ユウトが目を瞬く。
「今度は何?」
「分からん」
嫌な予感しかしない。
表示が続く。
◇
《魔力汚染》
《情報を記録》
◇
「魔力汚染?」
戦闘中にも補佐機構が言っていたが初めて聞く言葉だった。
「さっきの霧のことかしら」
シエルが呟く。
「多分な」
だが。
それ以上の情報はない。
ただ。
補佐機構がわざわざ記録した。
それだけで。
嫌な予感は十分だった。
「街に戻ったら確認するか」
「そうね」
「お腹ペコペコっす!」
三人は街への帰路につく。
◇
その背後で。
誰も気付かない場所で。
地面に残された黒い霧の欠片が。
僅かに蠢いた。
まるで。
何かを探すように。
第五十一話をお読みいただきありがとうございました!
オーガは助かりました。
スキルは増えました。
謎も増えました。
それではまた次回!




