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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第五十話 救出

 ワイルドオーガとの戦いもいよいよ決着。


 ですが、今回の相手はただの魔物ではありませんでした。


 ユウトたちは目の前の異変に立ち向かいます。

 「増えたぁぁぁ!!」



 ユウトの叫びが森へ響く。


 二本だった腕が。


 四本になった。


 増えていた。


「いや増えるなって!」


 誰に言っているのかは分からない。


 だが言わずにはいられなかった。


 ワイルドオーガが咆哮する。


 その声は怒りではない。


 苦痛だった。



「苦しんでる……?」


 ユウトが呟く。


 黒い霧はオーガの体から溢れているように見える。


 だが違う。


 よく見ると霧は体の奥へ入り込んでいた。


 まるで寄生しているみたいに。


「シエル!」


「ええ」


 シエルも同じ結論に至ったらしい。


「この魔物」



 一拍置く。



「被害者よ」


 その言葉に。


 シアも頷いた。


「あーしもそう思うっす」


 珍しく意見が一致していた。


 その時ワイルドオーガが苦しそうに頭を抱える。


 黒い霧が暴れる。


 そして巨大な拳を振り上げた。


 狙いは


 自分自身だった。


「なっ!?」


 ドォン!!


 大地が揺れる。


 理性が残っている。


 まだ完全には飲み込まれていない。



「助けられないのか?」


 ユウトが尋ねる。


「分からないわ」


 シエルが首を振る。


「でも」


 その目が細くなる。


「ホントお人好しね!竜のくせに!」


 ユウトは笑った。


「悪かったね!」


 その瞬間


 シアが動いた。


 ドンッ!!


 地面が砕ける。


 次の瞬間には。


 ワイルドオーガの懐へ潜り込んでいた。


「おぉっ!?」


 ユウトが驚く。


 速い。


 今まで見た誰よりも速い。


 シアが拳を握る。


「ごめんっす!」


 そして。


 ドガァァァァン!!


 拳が突き刺さった。


 衝撃で黒い霧が弾け飛ぶ。


 ワイルドオーガが悲鳴を上げる。


 だが終わらない。


 黒い霧が再び集まる。


「しつこいわね」


 今度はシエルだった。


 一歩前へ出る。


 白銀の髪が揺れる。


「消えなさい」


 静かな声。


 その瞬間


 空気が震えた。


 黒い霧だけが。


 弾かれるように吹き飛ぶ。



「…え?」


 ユウトが固まる。


 何をしたのか。


 全く見えなかった。


 そして霧を失ったワイルドオーガは。


 ゆっくりと膝をつく。


 ドサリ。


 大きな音を立てて倒れた。


 息はある。


 生きていた。


「終わった?」


 ユウトが尋ねる。


 その時だった。



 《特殊個体の討伐を確認》


 《経験値を獲得》


 《レベルアップを確認》



「増えたぁぁぁ!!」


 ユウトの叫びが森へ響いた。

 第五十話をお読みいただきありがとうございました!


 オーガは助かりました。


 黒い霧は消えました。


 そしてレベルは増えました。


 それではまた次回!

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