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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第四十九話 黒い霧

 危険度Aのワイルドオーガ。


 シエルもシアも余裕そうですが、ユウトだけは違いました。


 そして、黒い霧がさらなる異変を引き起こします。

 《危険度:A》



「増えるなぁぁぁ!!」


 ユウトの悲鳴が森に響く。


「主、うるさいっす」


「うるさくもなるだろ!」


 さっきまでBだった。


 今はAだ。


 怖い。


 普通に怖い。


 その時。


 ワイルドオーガが再び地面を蹴った。


 ドォォン!!


 巨体とは思えない速度。


「速っ!?」


 ユウトが身構える。


 しかし。


 その前に。


「あーしが行くっす」


 シアが一歩前へ出た。


「シア?」


 珍しかった。


 普段なら。


 面白そうに眺めているだけなのに。


 今は違う。


 その目は真剣だった。


 ワイルドオーガの拳が迫る。


 シアは避けない。


 そして。


 バシィッ!!


 片手で受け止めた。


「えぇ……お前もぉ?」


 今日二回目だった。


 語彙力が死ぬ音がした。


「なんでみんな受け止められるんだよ」


 意味が分からない。


 ワイルドオーガが暴れる。


 だが。


 シアは動かない。


 まるで。


 大人が子供を相手にしているようだった。


「やっぱりっす」


 シアが呟く。


「何が?」


「この霧、嫌な感じがするっす」


 相変わらず曖昧な表現だった。


 だが。


 その声には確かな警戒があった。


「知ってるのか?」


 ユウトが尋ねる。


 シアは少しだけ考える。


 そして。


「知らないっす!」


「知らないのかよ!」


 そこはいつも通りだった。


「でも嫌な感じはするっす!」


「その感じもう慣れてきたよ!」


 相変わらずだった。



 その時。


 ワイルドオーガの体から。


 さらに黒い霧が溢れ出す。


「っ!」


 今度はシエルも反応した。


 表情が険しくなる。


「シア!」


「分かってるっす!」


 二人が同時に動く。


 その瞬間。


 ワイルドオーガが苦しそうに咆哮した。


「……え?」


 ユウトが目を見開く。


 今の声。


 怒りではない。


 苦痛だった。


 黒い霧が膨れ上がる。


 そして。


 補佐機構が告げた。



 《警告》


 《対象の変異を確認》



「変異?」


 嫌な予感しかしなかった。


 ワイルドオーガの肉体が膨張する。


 筋肉が軋む。


 骨が鳴る。


 そして。


 その背中から。


 二本の黒い腕が生えた。



「増えたぁぁぁ!!」


 ユウトの叫びが森へ響いた。

 第四十九話をお読みいただきありがとうございました!


 危険度は増えました。


 腕も増えました。


 ユウトの悲鳴も増えました。


 それではまた次回!

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