第四十七話 違和感
ワイルドオーガとの戦闘開始。
危険度B+。
少し不安なユウトとは対照的に、同行者たちは妙に落ち着いていました。
ワイルドオーガが地面を蹴る。
◇
「来たぁぁぁ!」
ユウトは反射的に横へ飛んだ。
ドゴォォン!!
さっきまで立っていた場所が吹き飛ぶ。
「危なっ!」
土が舞う。
木の根が弾け飛ぶ。
威力がおかしい。
「いやいやいや!こんなの直撃したらひとたまりも…」
「元気ね」
ユウトの言葉を遮るようにシエルつぶやいた。
「元気じゃねぇよ!」
命が危なかった。
その時、ワイルドオーガの拳が再び振り下ろされる。
ユウトは前へ出た。
ガキィン!!
拳と拳が激突する。
「くっ……!」
重い。
だが止まる。
以前のユウトなら不可能だった。
「あれっ?前よりも強くなってる」
確実に強くなっている。
◇
「よし!」
そのまま腕を弾く。
体勢が崩れる。
「そこだ!」
ユウトの拳がオーガの体を弾き飛ばした。
だが。
「ん?」
違和感。
今の一撃ならもっと手ごたえがあるはずだった。
「硬くないか?」
「硬そうね」
シエルも頷く。
その時。
◇
《対象を再解析》
◇
補佐機構が反応した。
ユウトの視界に文字が浮かぶ。
◇
《ワイルドオーガ》
《危険度:B+》
《状態:異常》
◇
「異常?」
初めて見る表示だった。
「何か分かったの?」
「異常状態らしい」
「体が硬化する状態異常なんてあるの?」
「違う」
文字が続く。
◇
《魔力汚染を確認》
◇
「……は?」
ユウトが固まる。
魔力汚染。
聞いたことがない。
だが。嫌な予感だけはした。
◇
「主」
シアが初めて真面目な声を出した。
「どうした?」
「それ」
一拍置く。
「普通じゃないっす」
笑顔が消えていた。
初めてだった。
そしてワイルドオーガが咆哮する。
次の瞬間、全身から黒い霧のようなものが噴き出した。
「うわっ!?」
空気が変わる。
森が震える。
ワイルドオーガの筋肉がさらに膨れ上がった。
◇
《危険度再判定》
補佐機構が告げる。
《危険度:A-》
◇
「また増えたぁぁぁ!?」
ユウトの叫びが森に響いた。
第四十七話をお読みいただきありがとうございました!
ユウトは強くなっていました。
ですが敵も強くなりました。
そして危険度がまた上がりました。
ユウトは泣きそうです。
それではまた次回!




