第四十六話 ワイルドオーガ
新たな依頼はワイルドオーガ討伐。
危険度B、推奨人数五名以上。
ユウトは少しだけ不安そうですが、同行者たちはいつも通りです。
依頼を受けた翌日。
◇
三人は街の西にある森へ来ていた。
「本当に行くんだな」
ユウトが呟く。
「昨日自分で受けたんでしょう」
シエルが冷静に返した。
「やばい時は助けてね?」
「それはどうかしらね」
「今さらっすか」
シアも呆れている。
◇
「危険度Bだからなぁ……」
正直。
少し怖い。
「まだ言ってるの?」
「三組失敗してるんだぞ?」
それは普通に怖い。
「主はビビりっすね」
「慎重派って言え」
臆病ではない。スライムに殺されかけた身としては嫌でもそうなる。
そんな会話をしながら進むこと数時間。
森の奥へ辿り着いた。
「ここら辺らしいわね」
シエルが依頼書を確認する。
ワイルドオーガ。
通常のオーガよりも大型で凶暴。
討伐推奨人数五名以上。
危険度B。
依頼書の内容はそんなところだった。
「見つかるかな」
「見つかってほしくないみたいな言い方っすね」
図星だった。
その時。
《周辺生命反応を確認》
補佐機構の声が響く。
「お?」
「どうしたの?」
「補佐機構」
「ああ」
いつものことだった。
「何かいるらしい」
その瞬間。
シエルの表情が変わる。
「ほら、目標がいらしたわよ」
風が吹いた。
次の瞬間。
ドォン!!
近くの大木が吹き飛んだ。
「うおっ!?」
土煙が舞い上がる。
シアだけが妙に落ち着いていた。
「あー」
「なんだ?」
「いたっす」
煙の向こう。
巨大な影が立っていた。
身長は三メートルを超える。
灰色の皮膚。
隆起した筋肉。
そして。
二本の巨大な角。
「でかっ!それにスゲーマッチョなんだけど…」
ユウトが思わず呟く。
その瞬間。
《危険度判定開始》
補佐機構が反応する。
そして。
《危険度:B+》
「増えた!?」
「何が?」
「危険度」
嫌な情報だった。
「上がったの?」
シエルが聞く。
「上がった」
「あぁ…そう…」
「あぁそう、じゃないだろ」
もっと驚いてほしい。
その時だった。
ワイルドオーガが咆哮する。
森全体が震えた。
そして。
巨大な足で地面を蹴る。
狙いは。
真っ先にユウトだった。
第四十六話をお読みいただきありがとうございました!
危険度B+になりました。
ユウトは焦りました。
シエルはあまり気にしていませんでした。
それではまた次回!




