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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第四十三話 帰還

王との会話を終えたユウトたち。


 残された謎は多いものの、ひとまず調査は一区切りとなります。


 そして、どうやら新しい仲間も増えそうです。

 静寂が戻る。


 王が消えた玉座の間。


 残されたのは困惑だけだった。



「……で?」


 最初に口を開いたのはシエルだった。


「何を話していたの?」


 当然の疑問だった。



 ユウトは頭を掻く。


「俺もよく分からん」


「分からないじゃなくて説明しなさい」


「王らしい」


「らしい?」


「名前忘れてた」



 沈黙。



「王なのに?」


 シエルが呆れたように言った。


「お前もそう思うよな」



「それで?」


 シエルが話を戻す。


「終焉竜のこと知ってた」


 その瞬間二人の表情が変わった。


「何て?」


 シエルが真剣な声で尋ねる。


「今も災厄扱いなのかって」


 ユウトは肩を竦めた。


「俺に言われてもな」


 自覚がない。


 終焉竜王らしいことなど何一つしていない。


 ゴブリンを助けたし。


 依頼もこなしている。


 むしろ善良な方ではないだろうか。


「そこは同意するわ」


 シエルが頷いた。


「今失礼なこと考えなかった?」


「考えてないわ」


 嘘だった。


 分かりやすい。


 その時だった。



 《同期率6%》



 補佐機構の声が響く。


「うおっ」


 急だった。


「どうしたの?」


「補佐機構」


「ああ」


 もう慣れた反応だった。


「6%になった」


「何が?」


「知らんけど同期率がどうとか」


 だが何かが変わっているのは確かだった。



 《新機能を確認》



「また増えた」


「便利な体ね」


「俺もそう思う」


 そして視界の端に小さな文字が浮かぶ。



 《王の記録》


 《閲覧可能》



「嫌な予感しかしない」


「あなたがそう言う時は大体当たるのよね」


「主はそう言うのは大体見るっすよね」


 ヴァルシアも頷いた。


「お前ら俺を何だと思ってるんだ」


 返事はなかった。


 否定もなかった。



 しばらくの沈黙。


「……で?」


 今度はユウトが口を開く。


「調査は終わりでいいのか?」



 黒い影の正体。


 謎の女性。


 遺跡の異変。



 依頼内容だけ見れば。


 十分すぎるほど調べた。


「そうね」


 シエルも頷く。


「これ以上進んでも情報が増えるだけよ」


「それはそれで気になるけど」


「駄目よ」


 即答だった。


「これ以上はやめておいた方がいいと思うっす」


 ヴァルシアも賛成した。


 こうして長かった遺跡の調査は一旦終了となった。



 遺跡を出てしばらく。


 森の中を歩きながら。


 ユウトはふと思い出したように口を開いた。


「そういや」


「なんすか?」


「お前これからどうするんだ?」


「どうするとは?」


ヴァルシアが首を傾げる。


「住む場所とか、行く場所とか」


 ヴァルシアは数秒考えた。


 そして。


「主についていくっす」


「即決かよ」


「駄目なんすか?」


「いや、駄目じゃないけど」


 早かった。あまりにも早かった。


「理由は?」


 シエルが尋ねる。


「主といた方が面白そうだからっす!」


 満面の笑みだった。


「ところでその主ってなんなんだ?」


「主は主っす!あーしの主っす!」


「よくわかんねぇ」


 ユウトは深いため息をついた。


「それに」


 ヴァルシアは少しだけ真面目な顔になる。


「主のこと見てろって言われた気がするっす」


「誰に?」


「忘れたっす!」


 駄目だった。


 ユウトとシエルは同時にため息を吐く。


 それでもなぜか不思議と嫌ではなかった。


 こうしてユウトたちは街への帰路につくのだった。

第四十三話をお読みいただきありがとうございました!


 ヴァルシアが正式(?)に仲間になりました。


 本人は最初からそのつもりだったようです。


 次回、久しぶりの街へ帰還です!


 それではまた次回!

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