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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第三十八話 王の間

説明が下手な黒龍と共に、遺跡のさらに奥へ進むユウトたち。


 どうやら異変は本格的に動き始めたようです。


 そして辿り着いた先にあったものとは――。

 遺跡の深部から溢れ出した気配。


 それは明らかに異質だった。


 ユウトは眉をひそめる。


「なんだこれ」


 魔物とも違う。


 竜とも違う。


 だが確実に何かがいる。



 ゴゴゴゴゴ……。


 再び遺跡が揺れた。


 壁が震え。


 天井から砂が落ちる。


「起き始めたっすね」


 ヴァルシアが呟く。


「その起きるってのが分からないんだけど」


「説明したじゃないっすか」


「お前あれで説明できてると思ってたの?」


「そんな馬鹿な」


 そんな馬鹿だった。



「あなた、本当に理解しているの?」


 シエルが疑わしそうに見る。


「してるっす!」


「説明できないだけで?」


「そうっす!」


 胸を張る。全く説得力がなかった。



 その時。


 《高濃度エネルギーを確認》


 補佐機構の声が響く。


 《対象との共鳴を確認》


「共鳴?」


 思わず口に出る。


「何か言った?」


 シエルが振り返る。


「補佐機構が変なこと言ってる」


「ああ、またなのね」


 今さら驚きもしない。


 シエルは軽く流した。



 《終焉竜王因子の活性化を確認》


 再び声が響く。


 ユウトは思わず足を止めた。


「おい」


「今度は何?」


「終焉竜王がどうとか」


「あなた終焉竜王でしょう」


「そうなんだけどさ」


 そうなのだが自分の種族名を改めて言われると妙な気分だった。



 その瞬間遺跡の奥で何かが光った。


 三人は同時に顔を上げる。


「今のは?」


 シエルが警戒する。


 だがユウトは少し違った。


 気になる。


 見てみたい。


 危険そうだ。


 でもだからこそ気になる。



「行くの?」


 シエルが聞く。


「行かない選択肢はないっしょ」


 即答だった。


「でしょうね」


 予想通りだったらしい。


 三人はさらに奥へ進む。


 やがて巨大な空間へ辿り着いた。


 そしてその最奥に一枚の巨大な扉が立っていた。



「…でかいな」


 高さは十メートルを超えている。


 見上げるほど巨大だった。


 扉の表面には無数の文字が刻まれている。


 だが。


「読めないわね」


 シエルが呟く。


「あーしも読めないっす」


 ヴァルシアも首を振った。


 しかしユウトだけは違った。


 意味が分かる。


 初めて見る文字。


 なのに読める。


 まるで最初から知っていたかのように。


「……王の間」


「読めるの?」


 シエルが驚く。


「読める」


 ユウト自身が一番驚いていた。


 ヴァルシアの表情が少しだけ曇った。


「あー……」


「なんだよその反応」


「いやぁ」


 珍しく歯切れが悪い。


「お前知ってるのか?」


「知ってるっす」


「何がある?」


「面倒なやつっす」


「雑だな」


「でも本当っす」


 そこだけは真面目だった。


 ゴゴゴゴゴ……。


 再び振動が走る。


 巨大な扉が僅かに動いた。


「勝手に開くのか?」


「開くっすね」


「止められる?」


「無理っす」


「遺跡の扉なんて大体そんなもんだよな」


 ユウトは扉を見上げた。



 正直嫌な予感しかしない。


 だが同時にものすごく気になる。


「あなた」


 シエルが声を掛ける。


「何?」


「顔」


「顔?」


「面白そうなことを見つけた顔をしてるわ」


 ユウトは少し考えた。


 そして。


「否定できない」


 素直に認めた。


 ヴァルシアが吹き出した。


「やっぱり主っすね」


「どういう意味だよ」


「そのままの意味っす」


 意味は分からなかった。


 そして巨大な扉がゆっくりと開き始める。


 眩い光が溢れ出す。


 三人は思わず目を細めた。


 その先にあるものは――。

第三十八話をお読みいただきありがとうございました!


 ヴァルシアは説明が下手ですが、知識はあります。


 たぶんあります。


 次回、王の間へ突入です。


 それではまた次回!

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