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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第三十七話 説明が下手

黒龍ことヴァルシアとの再会。


 しかし喜ぶ間もなく、新たな問題が発生します。


 どうやら説明役は別に用意した方が良さそうです。

「王が目覚めそうなんす」


 ヴァルシアの言葉に。


 その場の空気が静まり返った。


 ユウトとシエルは顔を見合わせる。


 そして


「王って誰?」


 ユウトが聞いた。



 沈黙。


 ヴァルシアはぱちぱちと瞬きをした。


「え?」


「いや、え?じゃなくて」


「王っすよ?」


「だから誰だよ」


 説明になっていなかった。



 シエルが額を押さえる。


「最初から順番に説明しなさい」


「順番っすか」


 ヴァルシアは腕を組む。


 数秒考える。


 さらに考える。


 もっと考える。


「……忘れたっす」


「忘れるな!」


 ユウトのツッコミが遺跡に響いた。


「だいぶ昔の話なんすよ」


「どれくらい?」


「すっごく昔っす」


「雑だな」


 ユウトは頭を抱えた。


 シエルも同じ気持ちだった。


「王は王なんす」


「わかったわかった」


「諦めるの早くないっすか?」


「説明が下手すぎるんだよ」


 むしろよくここまで会話が続いたものだ。


 するとシエルが口を開く。


「その王は竜なの?」


「違うっす」


 即答だった。


「人間?」


「違うっす」


「魔族?」


「違うっす」


「精霊?」


「違うっす」


 シエルが黙る。


「何なの?」


 ヴァルシアは少しだけ考えた。


 そして


「王っす」


「振り出しに戻ったわ!」



 ユウトは盛大にため息を吐いた。


「お前説明向いてないだろ」


「よく言われるっす」


 自覚はあったらしい。


 その時だった。


 不意に補佐機構が反応する。


 《情報を確認》


 《該当情報の一部を開示》


「お?」


 ユウトが目を瞬く。


 そして。


 視界に文字が浮かんだ。


 《王》


 《詳細不明》


 《終焉竜王との関連性を確認》


 《危険度:測定不能》


「終焉竜王だと?」


 シエルが反応する。


 ユウトも目を見開いた。


 今確かに表示された。


 終焉竜王。


 それは自分の種族名だった。



「おい」


 ユウトがヴァルシアを見る。


「関係あるのか?」


「あるっす」


 今度は即答だった。


「主だからっす」


「説明になってない」


「なってないわね」


 ユウトとシエルの意見が一致した。



 しかしヴァルシアの表情は珍しく真剣だった。


「でも」


 軽い口調のままその瞳だけが真っ直ぐユウトを見る。


「主が来たから動き出したのは本当っす」



 空気が変わる。


 冗談ではない。


 少なくともヴァルシアはそう思っている。


「俺が原因?」


「多分っす」


「多分なのかよ」


「多分っす!」


 自信満々だった。



 その瞬間。


 遺跡全体が揺れた。


 ゴゴゴゴゴ……。


 重い振動。


 壁が震える。


 天井から砂が落ちる。


「今のは!?」


 シエルが周囲を見回す。


 ヴァルシアはため息を吐いた。


「ほら」


「ほらじゃない!」


「だから言ったじゃないっすか」


 そしてヴァルシアは通路のさらに奥を見つめる。


「起き始めたっす」


 その言葉と同時に遺跡の深部から巨大な何かの気配が溢れ出した。

第三十七話をお読みいただきありがとうございました!


 ヴァルシアは説明が下手でした。


 作者も知っていました。(書いてるんだけら当然だがw)


 次回、いよいよ遺跡の異変が動き出します。


 それではまた次回!

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