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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第三十五話 残された部屋

補佐機構の追跡機能(?)に従い、遺跡のさらに奥へ進むユウトたち。


 今まで見たことのない反応。


 今まで知らなかった通路。


 そして少しずつ姿を見せ始める遺跡の秘密。


 嫌な予感しかしない探索の続きです。

 《対象を追跡中》


 視界の端に浮かぶ光の矢印。


 ユウトは複雑そうな顔をした。


「お前そんな機能あったんだな」


 思わず呟く。


 今までレベルや進化の案内はあった。


 だが案内役まで始めたのは初めてだ。


「何か分かったの?」


 シエルが尋ねる。


「補佐機構が道案内してる」


「便利ね」


「俺もそう思う」


 珍しく意見が一致した。



 二人は矢印を頼りに遺跡の奥へ進む。


 しかし。


「こんな場所あったか?」


 ユウトが首を傾げた。


 以前訪れた時には存在しなかった通路。


 崩れた壁の向こうに、新しい道が現れている。


「記憶にはないわね」


 シエルも警戒を強める。


「遺跡が勝手に増えたとか?」


「そんな馬鹿な話があると思う?」


「ないな」


 ない。


 ないのだが。


 実際に目の前にある。



 やがて。


 矢印は一つの部屋の前で止まった。


 小さな石室。


 豪華さはない。


 だが。


 妙に空気が重い。


「ここか?」


「そのようね」


 中へ入る。


 そこにあったのは。


 一枚の石碑だった。


「……墓?」


 ユウトが呟く。


 石碑には文字が刻まれている。


 だが読めない。


 人間の文字でも。


 古代文字でもない。


 見たことのない文字列だった。


 その時。


 補佐機構が反応した。


 《情報を確認》


 《翻訳を開始》


「え?」


 ユウトが目を丸くする。


「翻訳もできるのかお前」


 返事はない。


 いつものことだった。


 そして。


 文字が理解できる形へと変わる。


 そこに刻まれていたのは。


『王は眠る』


「王?」


 ユウトとシエルが顔を見合わせる。


 続きがある。


『王は還る』


 その瞬間。


 空気が変わった。


 遺跡全体が僅かに震えた気がした。


「おい」


「ええ」


 嫌な予感しかしない。


 さらに下を見る。


『時満ちる時』


『王の道は開かれる』


 そこで文字は途切れていた。


 まるで。


 誰かが意図的に壊したかのように。



 沈黙が落ちる。


 最初に口を開いたのはユウトだった。


「帰る?」


「ここまで来て?」


「だって絶対面倒なやつじゃん」


「それには同意するわ」


 珍しくシエルも即答だった。



 その時だった。


 カツン。


 部屋の外から音が響く。


 二人の動きが止まる。


 誰かいる。


 気配は一つ。


 そして。


 かなり近い。


「またか」


 ユウトがため息を吐く。


「またね」


 シエルも構えた。


 ゆっくりと部屋の外を見る。


 そこには誰もいない。


 だが。


 通路の奥。


 一瞬だけ。


 黒い髪が見えた気がした。


 人影だった。


 女性のようにも見える。


 しかし。


 次の瞬間には消えていた。


「見たか?」


「見たわ」


 今度は気のせいではない。


 確かにいた。


 黒い影。


 目撃情報と一致する存在。


 そして。


 補佐機構が静かに告げる。


 《対象を確認》


 《追跡を推奨》


 ユウトは大きくため息を吐いた。


「なぁ」


「何?」


「面倒事の匂いしかしない」


「今さらね」


 そして二人は。


 黒い影を追って遺跡のさらに深部へ向かうのだった。

第三十五話をお読みいただきありがとうございました!


 ユウトは相変わらず帰りたがっています。


 でも好奇心が勝って帰りません。


 そして黒い影も再び登場。


 目撃情報は本当だったようです。


 果たして影の正体は何なのか。


 よろしければブックマークや評価、感想などいただけると励みになります!


 それではまた次回!

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