第二十九話 話し合いの結果
第二十九話です!
ゴブリンたちとの話し合いも無事に終わり、いよいよ街へ帰還するユウトたち。
行方不明者たちを連れて戻ったギルドでは、当然ながら大騒ぎになるのでした。
拘束されていた冒険者たちが解放された。
最初は誰も状況を理解できていなかった。
「……助かった?」
「みたいだな」
「ゴブリンは?」
「いる」
「じゃあなんで生きてる?」
「分からん」
当の本人たちも混乱していた。
唯一分かるのは。
ゴブリンの長がユウトたちと話した後。
突然態度を変えたことだけだった。
「お前たち何したんだ?」
助けられた冒険者の一人が聞く。
「話し合い」
ユウトは微笑みながら即答した。
「は?」
◇
シエルが小さく頷く。
「話し合いね」
◇
「本当に話し合いだったんだよ」
だが説明できない。
終焉竜の話をしたところで信じられないだろう。
結果としてユウトは全てを省略することにした。
「まぁ解決したからいいだろ」
「よくねぇよ!」
冒険者たちのツッコミが森に響いた。
◇
数時間後。
ユウトたちは街へ戻ってきていた。
ギルドへ入る。
受付嬢は書類を整理していた。
そしてこちらを見た。
「……え?」
固まった。
ユウト。
シエル。
そして。
行方不明だった冒険者たち。
全員無事だった。
「え?」
もう一度言った。
「えええええええええ!?」
ギルド中に声が響いた。
周囲の冒険者たちも振り返る。
「生きてる!?」
「帰ってきたぞ!?」
「嘘だろ!?」
一気に騒がしくなった。
受付嬢が駆け寄ってくる。
「無事だったんですか!?」
「おう」
「怪我は!?」
「ない」
「いったい何がいたんですか!?」
「ゴブリンがいたかな」
「倒したんですか!?」
「まぁ……その……倒してない」
「……はい?」
受付嬢が固まる。
◇
今日二回目だった。
「じゃあどうやって……」
「話し合い」
受付嬢がシエルを見る。
「本当ですか?」
「本当よ」
シエルは頷いた。
「話し合いだったわ」
「意味が分かりません……」
受付嬢が頭を抱えた。
ユウトもそう思う。
◇
終焉竜王。
ゴブリン。
災厄。
◇
説明したところで余計に意味が分からなくなる。
「まぁ結果オーライってことで」
「よくないです!」
即座に否定された。
◇
ユウトは少し傷付いた。
その様子を見ながら助けられた冒険者たちは顔を見合わせる。
「こいつ本当に何者なんだ?」
「分からん」
「でも」
冒険者の一人が苦笑した。
「悪いやつじゃなさそうだな」
少なくとも世界を滅ぼしそうには見えなかった。
第二十九話を読んでいただきありがとうございました!
無事に行方不明者たちを連れ帰ることができました。
とはいえ、ユウト自身も今回の件を上手く説明できるわけではありません。
終焉竜王。
ゴブリンの集落。
そして森の災厄。
正直、最初から順番に説明しても誰も信じない気がします。
なので結論だけ伝えました。
「話し合いです」
……嘘は言っていません。
次回は事件の後処理とギルドでの評価が待っています!
ブックマーク・評価・感想をいただけると励みになります!




