第二百七十九話 アルヴェインの外へ
隣国へ向かう商隊の護衛依頼を受けたユウトたち。
バルガ率いる商隊と合流し、いよいよアルヴェインを離れて初めての国へ向かいます。
それでは、第279話をお楽しみください!
翌朝。
「……ここか」
ユウトたちは、アルヴェインの西門へやって来ていた。
昨日、冒険者ギルドで受けた商隊の護衛依頼。アルヴェインから西へ向かい、国境を越えた先まで商人たちを送り届けるというものだ。
待ち合わせ場所には、すでに三台の馬車が停まっていた。
それぞれの荷台には大きな木箱や布で覆われた荷物が積み込まれ、商人らしき人々が出発の準備に追われている。馬の状態を確認する者や荷物を固定する縄を締め直す者など、朝早くから慌ただしい様子だった。
「……結構いるな」
ユウトが感心したように呟いた時、馬車の前に立っていた一人の男が声を掛けてきた。
「おはようございます。冒険者ギルドから来た方々ですか?」
「ああ。俺はユウトだ」
「シエルよ」
「あーしはシアっす!」
「リトだ。よろしくな」
四人が順番に名乗ると、男は丁寧に頭を下げた。
「お待ちしていました。私はこの商隊をまとめているバルガと申します」
バルガと名乗った男の頭には、小さな角が二本伸びていた。
落ち着いた物腰で、話し方も丁寧だ。身に着けている服には旅慣れた様子が見られ、商隊を取りまとめる立場に相応しい雰囲気を持っている。
「今回、皆さんには我々が目的地へ到着するまでの護衛をお願いします。道中は三日ほどを予定していますが、状況によって多少前後するかもしれません」
「任せてくれ!」
ユウトが元気よく答えると、バルガも笑顔を浮かべた。
「ありがとうございます。詳しい道順や休憩の予定については、出発前に確認しておきましょう」
「おう!」
ユウトは素直に頷いた。
今回は自分たちだけの旅ではない。守るべき商隊がいる以上、勝手な行動はできないことくらい理解している。
昨日もミレアから散々念を押されたのだから、さすがに忘れるはずがなかった。
しかし、バルガは依頼書を確認しながら、ふと何かを思い出したように顔を上げた。
「……ところで、一つよろしいでしょうか?」
「ん?」
「皆さん、Eランクになったばかりだと伺いましたが……」
「二日前になった!」
ユウトが胸を張る。
「あーしたちは昇格したてのピチピチEランクっす!」
「……ピチピチってなんだよ」
リトが呆れたように呟いた。
しかし、バルガの表情には僅かな不安が浮かんでいた。
「……失礼ですが、今回の護衛は大丈夫でしょうか?」
「なんで!?」
ユウトは思わず声を上げた。
二日前にようやく昇格したばかりだというのに、早くも実力を疑われてしまったらしい。
しかし、バルガとしても心配になるのは当然だった。
今回の護衛は数日にわたる移動であり、万が一魔物に襲われれば、商隊の安全は護衛の腕にかかっている。
いくらギルドが認めた冒険者とはいえ、昇格したばかりと聞けば多少の不安を抱くのも無理はない。
「実力なら問題ないわ」
そんなバルガへ、シエルが落ち着いた口調で答えた。
「……たぶん」
「なんで最後にたぶんって付けた!?」
ユウトが慌てて振り返る。
「実力に問題があるとは思ってないわよ」
「じゃあ何が問題なんだよ!」
「……あなたの行動かしら」
「シエル!?」
ユウトが抗議すると、リトも当然のように頷いた。
「戦闘能力より、余計なことをしないかが問題なんだよな」
「リトまで!?」
「主! あーしは信じてるっす!」
「……シア!」
ようやく味方が現れたとばかりに、ユウトが嬉しそうに振り返る。
しかし、シアは満面の笑みを浮かべて続けた。
「きっと何か起こすっす!」
「そっち!?」
ユウトの叫び声が西門の前に響いた。
「…………」
バルガは四人のやり取りを見つめたまま、困惑したように眉を寄せていた。
先ほどよりも明らかに不安そうな表情になっている。
「……大丈夫ですかね?」
「大丈夫! 今回は普通に護衛するから!」
「……今回は?」
「あ」
ユウトの動きが止まった。
隣ではリトが額へ手を当てている。
「……アニキ、自分で不安要素増やしてどうすんだよ」
「い、いや! 今までもちゃんとやってたから!」
「本当ですか?」
「…………」
ユウトは一瞬だけ言葉に詰まった。
グレイボア三十六体。
アーマードベア。
そして、勝手に向かった古代遺跡。
思い返せば、ミレアが頭を抱えるような出来事ばかりだった。
しかし、ここ数日は何の問題もなく依頼を達成している。
その実績まで否定される筋合いはなかった。
「……と、とにかく!」
ユウトは誤魔化すように声を上げた。
「何かあったら俺たちに任せてくれ! 商隊はちゃんと守るから!」
その言葉だけは、ふざけた調子ではなかった。
ユウト自身、今回は護衛という仕事をきちんと果たすつもりでいる。
依頼主の安全を最優先にすることは、ミレアからも説明されていた。
何より、自分たちを頼ってくれた相手を危険な目に遭わせるつもりなどなかった。
「……分かりました」
バルガは少し考えた後、ようやく笑みを浮かべた。
「ギルドで認められた方々ですからね。皆さんを信じることにします」
「おう!」
「よろしくお願いします」
バルガは改めて頭を下げた。
その後、商隊の進む順番や休憩場所について簡単な説明を受け、ユウトたちは馬車の周囲を分担して警戒することになった。
前方の確認はユウトとシア。
馬車の側面や後方はシエルとリトが中心となって警戒する。
もちろん、状況によっては互いに連携しながら対応する予定だ。
こうして出発の準備が整い、三台の馬車がゆっくりと動き始めた。
◇
「……おお」
西門を抜け、街道へ出たところで、ユウトは思わず声を漏らした。
「……何よ?」
隣を歩いていたシエルが顔を向ける。
「いや……」
ユウトは一度、背後を振り返った。
つい先ほどまでいたアルヴェインの街並みが、少しずつ遠ざかっていく。
高くそびえる城壁も、行き交う人々の声も、馬車が進むにつれて遠くなっていった。
「今度こそ、しばらくアルヴェインを離れるんだなって思ってさ」
「そうね。魔族大陸へ来てから、あの街を拠点にしていたものね」
シエルも振り返りながら頷いた。
もちろん、これまでにも依頼や遺跡の調査で街の外へ出ることはあった。
しかし、いずれもアルヴェインへ戻ることを前提とした行動だった。
今回のように数日間かけて国境を越え、別の国へ向かうのは初めてだ。
「そうっすね! いよいよ新しい旅っす!」
シアが嬉しそうに声を上げた。
「最初の村からアルヴェインに来たくらいだったからな」
リトも少し楽しそうだった。
馬車の車輪が地面を踏みしめる音と、馬の蹄が鳴らす規則的な音が街道に響いている。
その周囲を歩きながら、ユウトは改めて景色を見渡した。
街道の両側には広々とした草原が続き、遠くには森が見える。さらにその向こうには山々が連なり、青い空には白い雲がゆっくりと流れていた。
見慣れない植物や魔物がいることを除けば、人間界で見た景色と大きく変わらないようにも思える。
「……それにしても」
「ん?」
リトが振り返る。
「人間界とそんなに変わらないんだな」
「何か違うと思ってたのか?」
「もっとこう……」
ユウトは少し考えた。
「空が真っ赤だったり」
「……なんでよ」
シエルが呆れたように眉をひそめた。
「ずっと雷が落ちてたり」
「どんな場所だよ」
リトも苦笑する。
「地面から炎が噴き出してたり!」
「魔族大陸をなんだと思ってるっすか!?」
今度はシアが声を上げた。
「いや! 俺も来る前は、もう少し禍々しい場所だと思ってたんだよ!」
「偏見ね」
シエルが即答する。
「……すみません」
ユウトは素直に頭を下げた。
考えてみれば、魔族大陸という名前だけで勝手な想像をしていた部分はある。
実際に来てみれば、街には商人がいて、人々は仕事をし、子供たちは元気に遊んでいる。
種族や文化に違いはあっても、そこに暮らす人々の日常は、人間界とそれほど変わらなかった。
「ははは!」
そんな会話を聞いていたバルガが、楽しそうに笑い始めた。
「随分と物騒な場所を想像されていたんですね」
「そうなんだよ。人間界にいた頃は、魔族大陸って聞いただけで色々想像してたからさ」
「……人間界?」
バルガが不思議そうに首を傾げた。
「すみません。その人間界というのは、どちらの国のことでしょうか?」
「……え?」
ユウトは思わず聞き返した。
しかし、すぐに気付く。
そういえば、この大陸の人々にとって、人間界という言葉は馴染みのないものなのかもしれない。
「あー……国っていうか、俺たちが元々いた場所のことなんだけど」
「そうなんですか。聞いたことのない地名ですね」
バルガは少し考え込んだものの、心当たりはなかったらしい。
「私も商売で色々な土地を訪れていますが、初めて耳にしました」
「……まあ、随分遠いところだからな!」
ユウトは曖昧に笑って誤魔化した。
ここで別の世界から来たなどと説明しても、簡単には信じてもらえないだろう。
そもそも、どこまで話していいのかも分からない。
そんなユウトを見て、シエルがさりげなく話題を変えた。
「それより、バルガさんは随分色々な場所へ行っているのね」
「ええ。商売をしていると、どうしても移動が多くなりますから」
「じゃあ、行ったことのない土地については、やっぱり想像するしかないですよね?」
ユウトがすかさず尋ねる。
「もちろんです。噂で聞くのと、実際に自分の目で見るのとでは違いますからね」
「だろ? そういうことだよ!」
「ははは! 確かにそうですね!」
バルガは納得したように笑った。
どうやら、話題が逸れたことに不自然さは感じていないらしい。
ユウトも内心ほっとしながら笑みを返した。
最初こそEランクになったばかりのユウトたちを不安そうに見ていたバルガだったが、こうして会話を交わすうちに少しずつ打ち解けてきたようだった。
「……そういえばさ」
ユウトが思い出したように声を掛けた。
「はい?」
「俺たちが向かってる国って、どんなところなんだ?」
その質問に、バルガは一瞬きょとんとした。
「……知らずに依頼を受けたんですか?」
「…………」
ユウトの笑顔が止まった。
隣にいたリトが、ゆっくりと顔を向ける。
「……アニキ」
「依頼内容はちゃんと読んだぞ!」
「なら、目的地のことも調べとけよ」
「隣国ってことは知ってる!」
「それしか知らないじゃない」
シエルが呆れたように言う。
「だから今聞いてるんだよ!」
ユウトは開き直った。
確かに、昨日ギルドで隣国について質問はしたものの、具体的な国の名前や特徴までは詳しく聞いていなかった。
興味を持った時点で、もう少し調べておくべきだったのかもしれない。
「……まあ、いいですけどね」
バルガは苦笑しながらも、説明を始めてくれた。
「我々が向かっているのは、ここから西へ進んだ先にあるルーンガルドという国です」
「ルーンガルドか……」
ユウトは初めて聞く国の名前を繰り返した。
「どんな国?」
「そうですね……アルヴェイン周辺とは、少し雰囲気が違うと思いますよ」
「へぇ!」
ユウトが興味深そうに身を乗り出す。
バルガは少し考えてから続けた。
「ルーンガルドには様々な種族が暮らしていますが、特にドワーフ族が多いことで知られています」
「……ドワーフ?」
「ええ。鍛冶が盛んな国で、良質な武具や金属製品が数多く作られているんですよ」
「おお……!」
ユウトは思わず声を漏らした。
ドワーフといえば、前世で読んだ物語などでも鍛冶職人として描かれることが多かった種族だ。
もちろん、実際のドワーフ族が全員鍛冶職人というわけではないだろう。
それでも、鍛冶が盛んな国と聞けば、どのような場所なのか興味が湧いてくる。
「じゃあ、武器屋とかもいっぱいあるのかな?」
「そうですね。鍛冶職人が多いこともあって、武具の取引は盛んですよ」
「へぇ……いいな、それ!」
ユウトは楽しそうに笑った。
新しい街へ行くだけでも楽しみなのに、そこでしか見られない品物があるかもしれない。
そう考えると、ますます期待が膨らんでくる。
「……主!」
シアが隣から声を掛けた。
「ん?」
「美味しいものもあるっすかね!?」
「そっち!?」
ユウトが思わず振り返る。
「だって、国が違ったら食べ物も違うかもしれないっす!」
「……まあ、確かに」
「楽しみっす!」
シアは嬉しそうに笑っていた。
そんな二人を見ながら、バルガも楽しそうに口元を緩める。
「食文化も地域によって違いますからね。きっと楽しめると思いますよ」
「ほら主! やっぱりっす!」
「分かったから! まずは護衛だろ!」
「主までミレアさんみたいになったっす!」
「誰のせいだよ!」
ユウトが言い返すと、リトが笑い始めた。
そのやり取りを見ていたバルガも、すっかり打ち解けた様子だった。
「……そういえば、人間も暮らしているのかしら?」
今度はシエルが尋ねた。
「もちろん、いますよ」
「どれくらい?」
ユウトも興味を持って聞き返す。
「正確な人数までは分かりませんが、珍しいというほどではありませんね。商売をしていれば、人間族の方と取引することもありますから」
「……へぇ」
ユウトは少し驚いた。
アルヴェインでも人間の姿は見かけていたが、他の種族と比べればそれほど多くなかった。
それに、街で見かけた人間たちの様子には、少し気になる部分もあった。
種族によって扱いが違うのではないかと感じたこともある。
しかし、それがアルヴェイン特有の事情なのか、魔族大陸全体に共通することなのかは、まだ分からない。
「……国によって結構違うんだな」
「そうですね」
バルガは頷いた。
「魔族大陸と一括りにされることもありますが、どこへ行っても同じというわけではありません。種族の割合も、暮らし方も、国によって随分違いますから」
「なるほどなぁ……」
ユウトは前方へ視線を向けた。
自分たちがこれまで見てきたのは、魔族大陸のほんの一部でしかない。
アルヴェインで感じたことが、他の国でも当てはまるとは限らないのだ。
まだ知らない土地へ足を運ぶことで、今までとは違ったものの見方ができるようになるかもしれない。
「……面白そうだな」
ユウトが呟くと、シエルがすかさず口を開いた。
「観光に行くんじゃないわよ」
「分かってるって!」
「昨日も言われてたっす!」
シアが楽しそうに笑う。
ユウトは少しだけ不満そうな顔をしたが、すぐに頷いた。
「……まずは護衛だろ?」
「そうそう」
リトも同意する。
「普通に護衛して、普通に目的地まで行く!」
「それが一番です」
バルガが笑顔で答えた。
「この街道は比較的安全ですが、魔物がまったく出ないわけではありませんからね」
「……魔物!」
ユウトが思わず反応する。
「主、嬉しそうっす!」
「嬉しそうじゃない!」
「顔が嬉しそうだったわよ」
「気のせいだ!」
ユウトは慌てて否定した。
もちろん、未知の魔物に興味がないわけではない。
新しいスキルを手に入れられるかもしれないと考えると、どうしても気になってしまう。
しかし、今回は商隊を守るための依頼だ。
勝手に魔物を追い掛けたりすれば、護衛としての役割を果たせなくなってしまう。
「……念のため言っておくけど」
リトがユウトへ顔を向けた。
「街道の外にいる魔物まで狩りに行くなよ?」
「分かってるよ!」
「依頼は商隊の護衛だからな?」
「昨日ミレアさんにも言われた!」
「なら大丈夫だな」
「お前ら、本当に俺のこと信用してないな!?」
ユウトが不満そうに叫ぶと、リトは楽しそうに笑った。
バルガもそのやり取りに苦笑しながら、馬車の進む方向を確認する。
街道は緩やかな丘を越え、遠くの森へ向かって続いていた。
商隊はその道を、一定の速度を保ちながら進んでいく。
ユウトたちも周囲の警戒を怠らず、馬車の前後や側面に目を配り続けた。
幸い、その日は魔物に襲われることもなく、何事もなく行程を終えることができた。
◇
その後も商隊は、西へ向かって進み続けた。
日中は街道を移動し、休憩の際には馬の状態や荷物を確認する。夜には移動を止め、ユウトたちも交代で周囲を警戒しながら休息を取った。
特に大きな問題は起こらず、旅は順調だった。
もちろん、ユウトとしては少しくらい珍しい魔物に出会ってみたい気持ちもあった。
しかし、今回ばかりはその好奇心を抑えている。
商隊を無事に送り届けること。
それが、今の自分たちに任された仕事なのだから。
そして、アルヴェインを出発して三日目。
「……ユウトさん」
先頭の馬車の近くを歩いていたバルガが声を掛けてきた。
「ん?」
「見えてきましたよ。あそこです」
バルガが前方を指差す。
ユウトがその方向へ視線を向けると、街道の先に大きな門のようなものが見えた。
高い石壁が左右へ伸び、その中央には馬車が通れるほどの門が設けられている。
さらに近付くにつれて、門の周囲に人の姿も見えてきた。
どうやら、通行する商人や旅人たちの確認が行われているようだった。
「……おお」
ユウトは思わず足を止めかけた。
「あれが?」
「はい。国境です」
「……国境か」
ユウトは改めて門を見つめた。
アルヴェインを出て三日。
街道を進み続け、ようやく辿り着いた場所だった。
「この先が、ルーンガルドなんだな?」
「そうです。国境を越えればルーンガルド領内に入ります。目的地までも、あと少しですよ」
「……ついに来たっす!」
シアが嬉しそうに声を上げた。
「まだ国境だけどな」
リトが笑いながら言う。
「でも、初めてでしょう?」
シエルが静かに口を開いた。
「魔族大陸で、別の国へ入るのは」
「……そうだな」
ユウトは小さく頷いた。
人間界でも様々な場所を旅してきたが、魔族大陸ではまだアルヴェインとその周辺しか知らない。
目の前の門を越えれば、これまでとは違う国へ足を踏み入れることになる。
ドワーフ族が多く、鍛冶が盛んな国。
人間も暮らし、様々な種族が商売を営んでいるという場所。
バルガから話を聞いただけでも、アルヴェインとは違う街並みが広がっているのだろうと想像できた。
実際にどのような景色が待っているのかは、まだ分からない。
だが、それを自分の目で確かめられると思うと、自然と胸が高鳴った。
「……よし」
ユウトは小さく笑った。
「行ってみようぜ」
その言葉に、シアが元気よく頷く。
「了解っす!」
「……まずは国境の確認を済ませないとな」
リトが苦笑した。
「そうね。商隊から離れないようにしましょう」
シエルも頷き、前方へ視線を向ける。
バルガの合図で三台の馬車が速度を落とし、国境の門へ向かってゆっくりと進み始めた。
ユウトたちもその周囲を警戒しながら歩いていく。
今までとは違う国へ向かう期待はあったが、護衛の仕事はまだ終わっていない。
まずは商隊を無事に目的地まで送り届けること。その役目を忘れるわけにはいかなかった。
こうしてユウトたちは、魔族大陸で初めて訪れる国境へと辿り着いた。
その先に待つのは、ドワーフ族の鍛冶文化が栄える国、ルーンガルド。
まだ見ぬ街と人々に思いを馳せながら、ユウトたちは新たな土地へと足を踏み入れようとしていた。
第279話を読んでいただきありがとうございます!
ついにアルヴェインを離れ、隣国ルーンガルドへ向けて出発したユウトたち。
道中では魔族大陸の国々について話を聞きながら、驚くほど平和に三日間の旅を終えました。
そして目の前には、初めて越える国境。
鍛冶が盛んなドワーフの国、ルーンガルドでは何が待っているのでしょうか。
次回もぜひお楽しみに!
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それでは、また次回お会いしましょう!




