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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第二十七話 追われた者たち

第二十七話です!


ゴブリンの長に案内され、集落の奥へ向かうユウトたち。


どうやら彼らが人を攫ったことには理由があるようです。


そして少しずつ、今回の行方不明事件の真相が明らかになります。

 ゴブリンの長に案内され。


 ユウトたちは集落の奥へ向かっていた。


 途中。


 周囲のゴブリンたちが道を開く。


 だが。


 誰も近付こうとはしない。


 むしろ避けている。


「なんか避けられてないか?」


「避けられてるわね」


「傷付くんだけど」


「恐れてるだけでしょ」


 シエルはあっさり言った。



 やがて。


 一番大きな小屋へ辿り着く。


 ゴブリンの長は入口の前で振り返った。


「ここなら……話せる」


 片言だが十分通じる。


「お前すごいな」


「……?」


「喋れるんだな」


 長が困惑した顔をした。


 シエルが額を押さえる。


「あなた、そこ気に入ったの?」


「いやだってゴブリンだぞ?」


「失礼ね」


 なぜかシエルに怒られた。



 小屋の中へ入る。


 簡素な机。


 粗末な椅子。


 だが思ったより整頓されていた。



 長はゆっくり腰を下ろす。


 そしてユウトを見た。


「終焉竜……様」


「様はいらない」


 即答だった。


 長が固まる。


 シエルも少しだけ目を逸らした。


「えっと……」


 ユウトは頭を掻く。


「まず聞きたいんだけど」


「……はい」


「なんで人を攫った?」


 長の表情が曇る。


「我ら……望んでない」


「でも攫ったんだろ?」


「……食料」


 ユウトが眉をひそめた。


「食ったのか?」


「違う」


 長は首を振る。


「交換」



「交換?」


「森の外……人の物……食べ物」


 片言だが意味は分かる。


 つまり人質だった。


「殺す気は?」


「ない」


 即答だった。


「殺せば……戦争」


 その言葉に。


 ユウトは少しだけ長を見る目を変えた。


 少なくとも考えて行動している。


「なんでそんなことになった?」


 長は俯く。


「我ら……元はもっと奥。森のさらに奥。本来の縄張り。だが……」


 長の顔に恐怖が浮かぶ。


「災厄……来た」


 小屋の空気が変わった。


「災厄?」


 ユウトが聞き返す。


 長は震えていた。


「巨大な気配」


「近付けば死ぬ」


「森の魔物……逃げた」


「我らも逃げた」


 シエルが腕を組む。


 何となく察したらしい。


「それで街の近くまで?」


 長は頷いた。


「住処失う」


「獲物いない」


「仲間飢える」


 だから生きるためにここへ来た。


 ユウトは少し考える。


 そして。


「あー……」


 嫌な予感しかしなかった。


「その災厄ってさ」


 長が震える。


「黒い気配とか?」


「そう」


「ある日突然現れた?」


「そう」


「めちゃくちゃ怖い感じ?」


「そう」


「森の奥から出てきた?」


「そう」


 シエルが静かに目を閉じた。


 答え合わせが終わったらしい。


 ユウトは頭を掻く。


 少しだけ申し訳なさそうに。


 そして。


「多分だけど」


「その災厄だと感じてる原因、俺だと思う」


 沈黙。


 長が固まる。


「……はい?」


 初めて流暢な言葉が出た。

第二十七話を読んでいただきありがとうございました!


今回はゴブリンたちが街の近くへ現れた理由が明らかになりました。


生きるために住処を捨てるしかなかったゴブリンたち。

その原因となった「災厄」。


そしてユウトも、ようやく何となく察したようです。


……もっとも、本人はかなり軽いノリで口にしていましたが。


ゴブリンの長からすれば、たまったものではありませんね。


次回、終焉竜とゴブリンたちの認識の差が炸裂します。


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