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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第二十六話 ゴブリンの長

第二十六話です!


ついにゴブリンの集落へ辿り着いたユウトたち。


敵対するかと思われたゴブリンたちですが、その様子はどこかおかしく――。


そして、ゴブリンの長が姿を現します。

 ゴブリンの長はこちらを見ていた。


 いや。


 正確には違う。


 見ているのはユウトだけだった。



「どう考えても見つかってるよな」


「みたいね」


 シエルは落ち着いている。


 だが。


 集落の様子は明らかに変わっていた。



 ゴブリンたちが武器を手に取る。


 木槍。


 棍棒。


 石斧。


 粗末ではあるが武装している。


「なんか囲まれてないか?」


「囲まれてるわね」


「だよなぁ」


 確認するまでもなかった。



 だが妙だった。


 誰も襲ってこない。


 武器は構えている。


 警戒もしている。


 それなのに。


 飛びかかってくる者は一体もいなかった。



「どうする?」


 シエルが尋ねる。


 ユウトは少し考えた。


「話せないかな」


「ゴブリンと?」


「だって全然襲ってこないし」


 むしろ。


 怯えているように見える。



 その時だった。


 ゴブリンたちが左右へ分かれる。


 一本の道ができる。


 その奥から。


 大柄なゴブリンが姿を現した。



 普通のゴブリンより頭一つ大きい。


 粗末ながら装飾の施された槍。


 使い込まれた革鎧。


 そして。


 知性を感じさせる瞳。



「あれは?」


「長でしょうね」


 シエルが静かに答えた。



 ゴブリンの長はゆっくり近付いてくる。


 そして。


 数メートル手前で足を止めた。


 視線はユウトから離れない。



「おい……震えてないか?」


「震えてるわね」


 長の手は僅かに震えていた。


 目の前にいる何かを恐れるように。



 しばらくの沈黙。


 やがて。


 長が口を開いた。



「……終焉竜」



 ユウトが固まる。


「は?」


 思わず自分を指差した。



 その瞬間。


 長は周囲を見回した。


 拘束された冒険者たち。


 周囲のゴブリンたち。


 そして再びユウトを見る。



「こちらへ」


 長は森の奥を指差した。


 声は低い。


 だが。


 確かに人の言葉だった。



「おい……喋った!?今喋ったよな!?」


「そこなの?」


 シエルが呆れたように言う。



 長は再び頭を下げた。


「お願い……したい」


 その姿に敵意はない。


 あるのは恐怖と焦りだけだった。



 ユウトはシエルを見る。


「どうする?」


「少なくとも襲う気はなさそうね」


「だよな」



 そしてユウトは。


 もう一度ゴブリンの長を見る。


「話だけなら聞くぞ」


 その言葉に。


 長は安堵したように息を吐いた。



 だが。


 ユウトの中には一つの疑問だけが残っていた。



 なぜ。


 このゴブリンは。


 自分を終焉竜だと知っているのか。



 そして。


 なぜそこまで怯えているのか。



 ゴブリンの長に案内されながら。


 ユウトたちは集落の奥へと向かうのだった。

第二十六話を読んでいただきありがとうございました!


今回はゴブリンの長との初接触でした。


普通の魔物なら襲ってきてもおかしくない状況。

それなのに、ゴブリンたちから感じるのは敵意よりも警戒と恐怖でした。


そして長だけが知っていた「終焉竜」という言葉。


ユウト本人はまだ半信半疑のようですが、どうやら今回の事件には思っていた以上に深い理由がありそうです。


……それにしても、ユウトが一番驚いたのはゴブリンが喋ったことでした。


次回、ゴブリンたちが森を追われた理由が明らかになります。


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