第二百十一話 迫る影
静寂に包まれた地下遺跡。
その静けさは、一瞬にして破られようとしていました。
それでは、第211話をお楽しみください!
――来る。
ユウトの声と同時に、全員が武器を構えた。
静寂に包まれていた地下遺跡へ、張り詰めた空気が流れる。
その時だった。
通路の奥から黒い靄が勢いよく押し寄せてくる。
「っ!」
リトが一歩前へ出る。
「シア!」
「了解っす!」
二人が同時に飛び出した。
剣が黒い靄を切り裂く。
――だが。
「手応えがねぇ!」
斬り裂かれたはずの黒い靄は霧のように揺らぐだけで、そのまま二人の横をすり抜けていく。
「実体がない……!」
ユウトが叫ぶ。
黒い靄は真っ直ぐ通路脇に並ぶ石像へと吸い込まれていった。
その瞬間――。
ゴゴゴゴ……
石造りの遺跡全体が低く唸り始める。
石像の表面へ黒い紋様が浮かび上がり、閉じられていた瞳がゆっくりと赤く染まった。
「なっ……!」
シアが思わず後退る。
石像だったはずのそれが、ゆっくりと首を動かした。
背中からは岩のような翼が広がり、鋭い鉤爪が石床を削る。
「石像に取りついたのか……!」
リトが剣を握り直す。
◇
《未知魔力を媒介とした擬似生命体を確認》
《未知魔力解析率 29.8%》
◇
「擬似生命体……?」
補佐機構の表示を見たユウトは眉をひそめる。
「つまり、本体じゃないってことか……!」
石像は低く唸り声を上げると、形を変えていく。
背中からは翼。額には小さな角。赤い瞳には理性は感じられない。
その姿は、転生前にプレイしていたRPGのモンスター…ガーゴイルのような。
ただ侵入者を排除するという命令だけが刻まれているかのようだった。
「来るぞ!」
今度こそ本当の戦いが始まる。
ユウトたちは一斉に武器を構え、目の前のガーゴイルを見据えた。
第211話を読んでいただきありがとうございます!
ついに地下遺跡で最初の脅威が姿を現しました。
ここからは探索だけでは終わらない、緊張感のある展開が続いていきます!
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それでは、また次回お会いしましょう!




