第二十一話 止められるほど気になる
第二十一話です!
気になっていた行方不明事件について、受付嬢から話を聞くことになったユウト。
原因不明。
調査に向かった冒険者も行方不明。
危険だから近付くなと言われるほど、気になってしまうようです。
翌日。
ユウトは再びギルドを訪れていた。
「おはようございます」
「あっ」
受付嬢がこちらを見る。
そして。
嫌な予感がしたような顔になった。
「おはようございます……」
「なんでそんな反応なんだ?」
「いえ、別に」
絶対何かある。
ユウトはそう思った。
◇
依頼掲示板を見る。
昨日と大きく変わった様子はない。
だが。
気になる依頼だけは頭から離れなかった。
「なぁ」
「なんでしょう?」
受付嬢が警戒したような顔をする。
「昨日の行方不明の依頼なんだけど」
「ダメです」
「まだ何も言ってないよね?」
「どうせ受けたいんですよね?」
「受けられないんだろ?」
「受けられません」
「なら話くらいは聞かせてよ」
受付嬢は少し悩んだ。
そして観念したようにため息をつく。
◇
「最初は薬草採取の依頼だったんです」
「薬草採取?」
「はい」
危険とは無縁に聞こえる。
「でも戻ってこなかった」
ユウトの表情が少し真面目になる。
「その後、確認のために二人組の冒険者が向かいました」
「戻らなかった?」
「戻りませんでした」
「その後も?」
受付嬢は小さく頷く。
「現在確認できているだけで五名です」
五人。
決して少ない数ではない。
◇
「魔物じゃないのか?」
「分かりません」
「またそれか」
「本当にわからないんです」
正論だった。
ユウトは黙る。
「森自体はホーンウルフの生息地より少し奥です」
「へぇ」
「だから余計に不自然なんです」
ホーンウルフ程度なら新人でも依頼になる。
そんな場所で五人も消える。
確かにおかしい。
◇
ギルドを出た後。
シエルが隣を歩く。
「どう思う?」
「何かいる」
「雑だな」
「何かいる」
大事なことらしい。
「魔物か?」
「たぶん」
「たぶん?」
「分からない」
珍しくシエルも断言しない。
◇
その日の夕方。
宿へ戻ったユウトはベッドへ寝転がっていた。
天井を見上げる。
行方不明者五人。
原因不明。
調査隊も戻らない。
「気になるなぁ……」
呟く。
すると。
《対象地域への興味を確認》
「お前は黙ってろ」
《肯定》
「肯定するな」
補佐機構は今日も意味が分からなかった。
だが。
ユウトの中では既に決まっていた。
気になる。
それだけで十分だった。
第二十一話を読んでいただきありがとうございました!
今回は行方不明事件についての情報収集回でした。
分かっているのは、複数の冒険者が戻ってきていないことだけ。
原因も正体も不明です。
そしてユウトは案の定気になっています。
危険だからやめておけと言われるほど、逆に気になるのはなぜなんでしょうね。
次回からは少しずつ事件の核心へ近付いていく予定です!
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