第二百九話 沈黙の遺跡
長い沈黙が続いていた場所。
その静けさの奥には、まだ誰も知らない真実が眠っています。
それでは、第209話をお楽しみください!
王城地下へ続く石階段は、思っていた以上に深かった。
一段、また一段。
足音だけが静寂の中へ吸い込まれていく。
「……随分と深いっすね」
シアが周囲を見回しながら小声で呟く。
「何百年も封鎖されていた場所だ。何があっても不思議じゃねぇ」
リトも警戒を解かない。
やがて階段を下りきると、目の前には巨大な石造りの通路が広がっていた。
壁一面には見たこともない文字が刻まれている。
「これは……」
ユウトが壁へ近づく。
◇
《古代文字を検知》
《解析を開始します》
◇
淡い光が文字の上を流れる。
◇
《古代文字解析率 12.6%》
◇
「また増えた……」
以前までほとんど進まなかった解析率が、一気に跳ね上がっている。
「何か分かるの?」
シエルがそっと尋ねる。
ユウトは首を横に振った。
「まだ断片的だ。でも……この場所そのものが解析を助けてくれてるみたいだ」
さらに奥へ進む。
古代文字は途切れることなく壁や柱へ刻まれ続けていた。
その数は尋常ではない。
◇
《解析速度上昇》
《周辺環境より大量の情報を取得しています》
《古代文字解析率 18.4%》
◇
「……すごい勢いだ」
その時だった。
補佐機構の表示が切り替わる。
◇
《未知魔力を検知》
《周囲の未知魔力濃度が急上昇しています》
《未知魔力解析を開始》
◇
「こっちもか……」
ユウトの表情が引き締まる。
この地下には古代文字だけではない。
皇帝を蝕んでいた黒い霧と同じ魔力が、空気そのものに溶け込んでいる。
歩けば歩くほど濃くなっていくのが分かった。
◇
《未知魔力解析率 9.8%》
◇
シエルが足を止めた。
「……気配を感じるわね」
「何かいるっす」
リトも剣へ手を掛ける。
「あぁ…俺もだ」
通路の奥。
闇の向こうから、かすかな気配が流れてくる。
生き物とも、人とも違う。
得体の知れない何か。
ユウトは静かに拳を握った。
「……行こう」
その一歩が、長い間閉ざされていた真実へと近づく第一歩になるとは、まだ誰も知らなかった。
第209話を読んでいただきありがとうございます!
ついに始まった地下遺跡の探索。
ここからは少しずつ世界の謎が明らかになっていきます!
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それでは、また次回お会いしましょう!




