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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー
第二章 広がる世界

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207/215

第二百七話 暴走

いつもお読みいただきありがとうございます!


静かに広がっていた異変は、ついに誰の目にも明らかなものとなってきました。


それでは、第207話をお楽しみください!

 翌日――。


 ユウトたちは再び王城へ招かれていた。


「陛下がお会いしたいとのことです」


 近衛騎士に案内され、一行は執務室へ向かう。


「今日は皆さんもご一緒にどうぞ」


 扉が開く。


「よく来てくれた」


 皇帝は昨日と変わらぬ穏やかな笑みを浮かべていた。


 ユウトは内心ほっと息をつく。


(昨日のことは……気のせいだったのか?)


 そう思った、その瞬間だった。



 ビキッ――。


 皇帝の周囲の空気が歪む。


「……陛下?」


 皇帝がゆっくりと顔を上げる。


 瞳は黒く染まり始めていた。



《警告》


《未知魔力反応急上昇》


《危険度――測定不能》


《対象の精神汚染が急速に進行しています》



 黒い霧が一気に噴き出す。


「ガァァァァァッ!!」


 皇帝が咆哮した。


 凄まじい魔力が執務室を揺らす。


「陛下!」


 近衛騎士たちが皇帝のもとへ向かおうとする。


「やめろ!!」


 ユウトの叫びが響く。


「近づくな!」


「しかし!」


「今の陛下は陛下じゃない!!」


 一瞬、場が止まる。


 しかし皇帝は止まらない。


 黒い霧を纏った拳が壁を砕く。


 王城が揺れた。


 その時だった。


 シエルが静かに前へ出る。


「私に任せて」


 誰よりも穏やかな声。


 白銀の魔法陣が足元へ広がる。


 柔らかな光が執務室を包み込んだ。


 シエルは皇帝を真っ直ぐ見つめる。


「少しだけ、眠っていて」


 優しい声と共に光が降り注ぐ。


 暴れていた黒い霧が苦しむように揺らぐ。


 皇帝の身体から力が抜けていく。


 そのまま静かに床へ倒れ込んだ。



《対象の精神活動低下を確認》


《生命活動正常》


《深い睡眠状態へ移行しました》


《脅威レベル低下》


 補佐機構が淡々と告げる。



 執務室に静寂が戻る。


 近衛騎士たちは剣を下ろすことも忘れ、呆然としていた。


 一人の宮廷医が皇帝へ駆け寄る。


「……呼吸はあります。傷もない……」


 シエルは小さく息を吐いた。


「応急処置よ。それほど時間の余裕もないわね」


「根本的な解決にはなっていないってことだな」


 ユウトは眠る皇帝を見つめる。


「……絶対に助けよう。必ず裏で糸を引いてるやつがいるはずだ」


 その言葉に三人は静かに頷いた。


 帝国の命運を懸けた戦いが、今始まろうとしていた――。



 《未知魔力解析率 2.1%》


 《新たなデータを取得しました》


最後までお読みいただきありがとうございました!


ついに皇帝の異変が表面化し、帝国も大きく動き始めました。


シエルの応急処置によってひとまず危機は乗り越えましたが、根本的な解決にはまだ遠く及びません。


そして、補佐機構が解析を始めた未知の魔力。その正体が明らかになる時、物語はさらに大きく動き出します。


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります!


それでは、また次回お会いしましょう!

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