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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー
第二章 広がる世界

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206/210

第二百六話 救うために

いつもお読みいただきありがとうございます!


穏やかに進んでいた帝国での日々。しかし、その裏では静かに異変が広がり始めていました。


ユウトが見たもの、そして下した決断とは――。


それでは、第206話をお楽しみください!

 ユウトは重い足取りで執務室を後にした。


 扉が静かに閉まる。


 それでも先程の光景が頭から離れなかった。


 あの黒い霧。


 あの声。


 そして、苦しそうな皇帝の表情。


(あれは……普通じゃない。)


 廊下を歩いていると、シエルたちが待っていた。


「お帰りなさい。深刻な顔してどうしたの?あなたらしくもない」


「何かあったっすか?」


 シアが心配そうに駆け寄る。


 ユウトは周囲を見渡し、小さく頷いた。


「場所を変えよう」



 王城の中庭。


 人目の少ない場所まで移動すると、ユウトは静かに口を開く。


「……陛下の様子がおかしかった。」


 三人の表情が引き締まる。


 ユウトは補佐機構が検知した内容も含め、執務室で起きた出来事をすべて話した。


 話を聞き終えたリトは腕を組む。


「精神干渉、か」


「心当たりがあるの?」


 シエルが尋ねる。


「いや、そういう訳じゃねぇんだが」


「…普通の魔法じゃねぇことだけは分かる」


「俺でもあんな気配は知らねぇ」


 その一言で空気がさらに重くなる。



《解析中》


《未知魔力解析率 0.3%》


《継続観測を推奨》


 補佐機構が静かに告げる。


(まだ分からないか……)


 ユウトは拳を握った。


「でも、一つだけ分かった」


 三人がユウトを見る。


「陛下は敵じゃない」


「みんな…何があっても手を出すなよ」


 迷いのない声だった。


 シエルは静かに頷く。


「そうね」


 リトも鼻で笑う。


「最初から敵なら、お前なんかとっくに手ぇ出してるだろ」


「だな」


 ユウトは笑みを浮かべる。


「だったら助ける。それだけだ」


 その言葉にシアが満面の笑みを浮かべた。


「もちろんっす!」


「主が助けるなら、私も助けるっす!」


 シエルも静かに一歩前へ出る。


「私も」


 リトは肩を竦める。


「ったく……面倒事ばっか増やしやがる」


 そう言いながらも、その口元には笑みが浮かんでいた。



 その頃――。


 王城の最深部。


 誰もいない暗い一室。


 黒い霧が静かに蠢く。


『……終焉竜』


 低く響く、不気味な声。


『復活していたのか』


 霧はゆっくりと笑うように揺らめいた。


 誰にも知られることなく。


 静かに、その時を待ちながら――。

最後までお読みいただきありがとうございました!


今回は、ユウトたちが皇帝を「敵」ではなく「救うべき存在」として向き合う決意を固める一話となりました。


一方で、物語の裏では新たな存在も動き始めています。


少しずつ繋がっていく伏線が、どのような真実へと繋がるのか――。


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります!


それでは、また次回お会いしましょう!

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