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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー
第二章 広がる世界

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204/205

第二百四話 秘めた力

いつもお読みいただきありがとうございます!


少しずつですが、古代文字の解析が進み始めました。


新たな知識を得る一方で、ユウトはその力を隠すという選択をします。


そして、帝国で静かに進行しているもう一つの異変も――。


それでは、第204話をお楽しみください!

 ユウトは静かに本のページをめくっていた。


 昨日まで意味の分からなかった文字。


 だが、今日は違う。


《解析を開始します》


 補佐機構の声と共に、いくつかの文字が自然と頭へ入ってくる。


《解析率 0.8%》


(少しずつだけど……確実に増えてる。)


 昨日よりも読める文字が増えていた。


 それでも文章全体を理解するには程遠い。


 まるで欠けた地図を少しずつ埋めていくような感覚だった。


「……やっぱり、一朝一夕にはいかないか」


 小さく息を吐き、内容を書き留めていく。


 その様子を、少し離れた場所からシエルが静かに見つめていた。



「……何か分かったの?」


 休憩のため人気の少ない窓際へ移動すると、シエルが静かに尋ねた。


 ユウトは少しだけ考える。


 話すべきか。


 隠すべきか。


 数秒の沈黙のあと、小さく頷いた。


「……ほんの少しだけ」


 シエルの表情が僅かに変わる。


「補佐機構のおかげだと思う」


「まだ一部しか読めないけど、少しずつ解析が進んでる」


「そう……」


 シエルは腕を組み、しばらく考え込む。


「そのことは今は誰にも話さない方がいいわね」


 迷いのない一言だった。


「やっぱり?」


「ええ…この情報は価値があり過ぎる」


「もし帝国に知られれば、あなたは研究対象になるかもしれない」


 その言葉に、ユウトは苦笑する。


「それは勘弁だな」


「でしょう?」


 二人は小さく笑い合った。



「主ぃー!」


 元気な声が響く。


 振り返ると、シアが本を両手で持ったまま駆け寄ってきた。


「これ見るっす!」


「どうした?」


「全然読めないっす!」


「…よくこれ見ろとか言えたな」


 ユウトが即座にツッコむ。


 その横でリトが深いため息を吐いた。


「……お前、その本」


「ん?」


「逆さまだぞ」


「…………」


 シアは自分の本とユウトの本を交互に見比べる。


「あっ」


「気付くのおせぇよ!」


 図書館の静寂を壊さないよう笑いを堪えるエレナの姿が見えた。



 一方その頃――。


 皇帝は執務室で書類へ目を通していた。


「……」


 不意に頭へ鋭い痛みが走る。


「ぐっ……!」


 思わず額を押さえる。


 視界の端で、黒い霧がゆらりと揺れた。


「また……か」


 息を整えながら目を閉じる。


 しばらくすると霧は何事もなかったかのように消えていた。


「……疲れているだけだ」


 誰に言うでもなく呟き、再び書類へ視線を戻す。


 その表情には、僅かな焦りが浮かんでいた。



 しばらくして、一人の近衛騎士が図書館へ姿を現した。


「ユウト様」


「はい?」


「陛下がお呼びです」


 突然の呼び出しに、一同は顔を見合わせる。


「今からか?」


「はい。ご案内いたします」


 ユウトは静かに本を閉じた。


(このタイミングで……?)


 胸の奥に小さな違和感を覚えながら、皇帝の待つ執務室へ向かうのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました!


今回は、ユウトが「知ること」と「隠すこと」の大切さを学ぶ一話となりました。


少しずつ明らかになる古代の謎と、不穏な気配を見せ始めた皇帝。


物語も少しずつ次の展開へと動き始めます。


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります!


それでは、また次回お会いしましょう!

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