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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー
第二章 広がる世界

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203/205

第二百三話 古代の断片

いつもお読みいただきありがとうございます!


古代文字の調査が少しずつ動き始めました。


長い年月をかけても解き明かされなかった歴史の断片へ、ユウトは一歩ずつ近づいていきます。


それでは、第203話をお楽しみください!

 静寂だけが図書館を包み込んでいた。


 ページをめくる音。


 羽ペンを走らせる音。


 遠くで本を書架へ戻す小さな物音。


 それ以外は何も聞こえない。


「うぅ……」


 そんな静かな空間に、小さな唸り声が響いた。


「難しいっす……」


 シアは机へ突っ伏し、大きくため息を吐く。


「まだ十分も経ってねぇぞ」


 リトが呆れたように呟く。


「十分も集中したら十分っす……」


「何言ってんだお前は」


 ユウトは苦笑しながら古代文字の本へ視線を戻した。


(やっぱり簡単にはいかないな……)


 昨日読めたのは、ほんの一文字だけ。


 あれ以来、何冊読んでも成果らしい成果はなかった。


 それでも諦めるわけにはいかない。


 ユウトは研究記録と古代文字の書物を何度も見比べながら、一文字ずつ丁寧に目で追っていく。



《解析を開始します》


 不意に補佐機構の声が頭の中へ響く。


(またか)


《対象:古代文字》


《解析を継続します》


 視界の中で文字が淡く光る。


《解析率 0.5%》


(増えた……?)


 昨日より僅かではあるが上昇している。


《学習を継続》


 その一文だけを残し、補佐機構は再び沈黙した。


(少しずつ覚えていくってことか……)


 ユウトは小さく息を吐き、再び本へ目を落とす。



「何か分かりましたか?」


 気付けば、エレナがすぐ隣に立っていた。


「まだ全然です」


 ユウトは苦笑しながら、書き写した文字を見せる。


「研究記録と照らし合わせながら読めないかなって」


 エレナは紙へ目を向け、少しだけ驚いたように目を見開く。


「これは……」


「何かありましたか?」


「いえ……」


 エレナは静かに首を振る。


「その文字は、私たちも最近ようやく意味を推測できたものなのです」


「独学でここまで辿り着く方は初めて見ました」


「えっ?」


 ユウトは思わず目を丸くする。


「たまたまですよ」


 慌てて笑って誤魔化す。


(補佐機構のおかげなんて言えないよな……)


 胸の内でそっと呟いた。



 再び本を開く。


 ゆっくりとページをめくる。


 すると、一節だけ文字がぼんやりと浮かび上がる。


《文字列を一部解析》


『……終焉の日を忘れてはならない』


「終焉の日……」


 昨日見えた言葉と繋がる。


 だが、それ以上は読めない。


 何が起きた日なのか。


 誰が残した言葉なのか。


 何一つ分からない。


 分かったのは、その言葉が何か重要な意味を持っているということだけだった。



 ふと顔を上げると、大きな窓の向こうに中庭が見えた。


 そこを皇帝が数人の騎士と歩いている。


「ルシアンの親父さんか」


 何気なく眺めていた、その時だった。


 皇帝の背後で、黒い霧が一瞬だけ揺らめいた。


「……っ!」


 思わず立ち上がる。


 しかし、次の瞬間には何事もなかったかのように消えていた。


「気の……せいか?」


 ユウトは窓の外を見つめたまま、小さく呟いた。

最後までお読みいただきありがとうございました!


少しずつですが、古代文字の調査にも進展が見え始めました。


まだ謎は深まるばかりですが、その一つひとつが、この世界の真実へと繋がっていきます。


そして、気になる皇帝の異変も……。


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります!


それでは、また次回お会いしましょう!

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