第二百二話 解読への一歩
いつもお読みいただきありがとうございます!
ついに始まる古代文字の調査。
帝国が長年解き明かそうとしてきた謎へ、ユウトも一歩ずつ踏み出していきます。
その先に待つものとは――。
それでは、第202話をお楽しみください!
ユウトは目の前に積まれた古い書物の中から、一冊を手に取った。
「よし……まずはここからだな」
表紙には見たこともない文字がびっしりと刻まれている。
「さっぱり読めねぇ……」
恐る恐るページを開いてみるが、並んでいるのは奇妙な文字の羅列ばかりだった。
「主でもダメっすか?」
隣から覗き込んだシアが首を傾げる。
「当たり前だろ。初めて見る文字なんだから」
リトが肩をすくめる。
「最初から読めたら苦労しないわ」
シエルも静かに頷いた。
「ですよねぇ……」
ユウトは苦笑しながら本を閉じる。
すると、近くで様子を見ていたエレナが穏やかな笑みを浮かべた。
「ご安心ください」
「古代文字は現在でも解読率が非常に低く、多くは推測の域を出ておりません」
「帝国の研究者たちも長年研究を続けておりますが、未だ全容は解明されていないのです」
「やっぱりそうなんですね」
「ですが、研究の積み重ねによって判明している文字もございます」
そう言うとエレナは本棚から数冊の書物を取り出した。
「こちらは古代文字の研究記録になります」
「完全な解読には至っておりませんが、参考にはなるかと。」
「ありがとうございます!」
ユウトは礼を言って受け取る。
「まずは基礎から覚えるしかないか」
机へ向かい、本を開く。
一文字。
一文字。
現在使われている文字と照らし合わせながら、ゆっくりと目で追っていく。
(難しいな……)
その時だった。
◇
《解析を開始します》
頭の中へ無機質な声が響く。
ユウトは小さく目を見開いた。
(補佐機構……?)
《対象:古代文字》
《既存情報との照合を開始》
文字を見つめる。
数秒が過ぎる。
《照合完了》
《解析率 0.3%》
「〇・三パーセント……?」
思わず小さく呟く。
《文字列を一部解析》
ユウトの視界で、一文字だけが淡く浮かび上がった。
『終』
◇
「……読めた?」
だが、それ以上は続かない。
残りの文字は依然として意味を成さないままだった。
「一文字だけか……」
落胆しながらも、その一文字を見つめ続ける。
偶然なのか。
それとも補佐機構だからこそ読めたのか。
まだ答えは分からない。
ユウトは静かにページをめくる。
すると、最後のページの片隅に記された一文だけが、ぼんやりと頭へ流れ込んできた。
『――終焉の日、その時世界は――』
「……っ!」
思わず息を呑む。
だが、その続きは掠れ、判読することはできなかった。
「終焉の日……?」
その言葉だけが、静かな図書館の中で妙に胸へ引っ掛かっていた。
最後までお読みいただきありがとうございました!
今回は古代文字の調査が本格的に始まり、ユウトにも少しだけ新たな変化が見え始めました。
まだ謎だらけですが、この小さな一歩が物語の大きな転機へと繋がっていきます。
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それでは、また次回お会いしましょう!




