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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー
第二章 広がる世界

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第二百話 王城の一夜

いつもお読みいただきありがとうございます!


王城で束の間の穏やかな時間を過ごすユウトたち。


旅の疲れも癒え、いよいよ本来の目的である古代文字の調査が始まります。


それでは、第200話をお楽しみください!

 ルシアンに案内され、ユウトたちは客室へとやって来た。


「ここの部屋を使ってね」


 そう言って扉が開かれる。


「「「「…………」」」」


 四人の動きが止まった。


「……どうしたの?」


 ルシアンが首を傾げる。


「いや……」


 ユウトは部屋を見回しながら口を開く。


「広すぎるだろ……」


 部屋の中央には大きなソファ。


 窓からは帝都を一望でき、奥には寝室まで見える。


 豪華な調度品が並び、宿というより貴族の屋敷そのものだった。


「主!ベッドが四つもあるっす!」


 シアは一直線に駆け出す。


「ふかぁぁぁ!」


 勢いよく飛び込んだ。


 ぼふっ!


「すげぇぇぇ!沈むっす!」


「俺も!」


 ユウトも負けじと飛び込む。


 ぼふっ!


「これやべぇ!宿屋のベッドと全然違う!」


 二人が子どものようにはしゃぐ姿を見て、リトは呆れたように肩をすくめる。


「何やってんだ、お前ら……」


「リトも来るっす!」


「断る」


「絶対気にいるっす!」


「そういう問題じゃない!」


「やればわかるっす!」


 シアに腕を引っ張られる。


「お、おい!」


 そのまま勢い余って――


 ぼふっ!


「…………」


「……どうっす?」


 しばらく黙っていたリトが、小さく呟く。


「……ふかぁぁぁぁ」


「ほらぁ!リトも気に入ったっす!」


 その様子を見ていたシエルは、小さくため息をついた。


「……本当に子どもね」


 ルシアンは楽しそうに笑っていた。


「みんな仲良しなんだね」


「まぁ……うるさいけどな」


 リトが苦笑すると、シアがむっと頬を膨らませる。


「誰がうるさいっすか!」


「お前だよ!」


「ひどいっす!」


 そんなやり取りに、部屋の外で控えていた侍女たちまで思わず笑みを零していた。



「こちらがお風呂になります」


 侍女に案内され、一同は浴場へと向かう。


 扉を開けた瞬間。


「「…………」」


 再び固まった。


「広っ!!」


 ユウトの声が浴場に響く。


 湯気の立ち込める大浴場。


 磨き上げられた白い石造りの床。


 浴槽だけでも宿屋一軒分はありそうだった。


 ユウトが湯船を眺めながら目を輝かせる。


「これ飛び込みたくなるよな」


「なるなよ」


「あっ!今なら擬態がバレないんじゃ……」


「アニキ……もしバレたらシアにボコボコにされたうえシエルに切り刻まれるぞ!」


「…………やめておくか」


「アニキ……全然反省してねぇな」


 一方その頃。


「わぁぁぁ!」


 シアは目を輝かせていた。


「シエル!広いっす!」


「ええ、だから走らないで」


「わかったっす!」


 返事だけは元気だった。


 三秒後。


 タタタタッ――


「だから走らないでって……」


 案の定だった。


 つるっ。


「きゃっ!」


 ザバァァァァン。


「いてて……」


 湯船に尻もちをついたシアを見て、シエルは額へ手を当てる。


「……予想通りね」


「えへへ……」


「褒めてないわ」


 浴場には二人の穏やかな笑い声が広がっていた。



 風呂上がり。


 食堂には豪華な料理がずらりと並んでいた。


「…………」


 ユウト。


「…………」


 シア。


 二人は料理を見つめたまま固まっている。


「食べないの?」


 ルシアンが不思議そうに尋ねる。


「いや……どれから食えばいいんだ?」


 その一言で、場の空気が一瞬静まり――


「ふっ……」


 皇帝が小さく笑った。


「好きな物から食べればよい。遠慮は無用だ」


「いただきます!」


「いただくっす!」


 二人は勢いよく席へ着く。


「主!この肉すごいっす!」


「こっちのスープもうまい!」


「デザートもあるっす!」


「おい!それはまだ早いぞ」


 リトが苦笑する。


 ルシアンも嬉しそうに笑っていた。


 皇帝はそんな光景を静かに見つめながら、どこか満足そうに頷いた。


「賑やかな食卓も悪くないものだな」


 その笑顔は、どこまでも優しい父親そのものだった。


 だからこそ誰も気付かなかった。


 食事を終え、席を立とうとした皇帝の瞳が、一瞬だけ黒く揺らいだことに。


 本人さえも気付かぬまま、その違和感は静かに闇へと溶けていった。

最後までお読みいただきありがとうございました!


今回は王城での一夜を、少し肩の力を抜いてお届けしました。


豪華な客室やお風呂、美味しい食事と、ユウトたちらしい賑やかなひとときを楽しんでいただけたなら嬉しいです。


そして次回からは、旅の目的である古代文字の調査が本格的に始まります。


帝国に隠された真実へ、少しずつ物語が動き始めますので、ぜひ楽しみにお待ちください!


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります!


それでは、また次回お会いしましょう!

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