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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第十九話 初めての買い物

第十九話です!


初めての依頼を終え、初めての報酬を手にしたユウト。


今回は少しだけ戦闘をお休みして、冒険者らしい日常回になります。

 報酬を受け取ったユウトは、何度も銀貨を眺めていた。


「金だ……」


「そうね」


「俺の金だ……」


「そうね」


 シエルの反応は薄い。


 だがユウトは感動していた。


 異世界へ来て初めて、自分の力で稼いだお金なのだ。


「何買おうかな」


「まず服」


 即答だった。


「え?」


「服」


「いや、服あるぞ?」


 シエルはユウトの服を見る。


 ホーンウルフとの戦闘で破れた服。


 腕には穴が開いている。


 裾もボロボロだ。


「そんなボロボロの服着た人と一緒に歩きたくないんだけど」


「……はい」


 反論できなかった。



 服屋へ向かう。


 店内には様々な服が並んでいた。


「おぉ……」


 少しテンションが上がる。


 異世界らしい服もある。


 冒険者向けの丈夫そうな服もある。


「これとかどうだ?」


 ユウトが一着手に取る。


「高い」


 値札を見たシエルが即答した。


「まだ見てないんだが?」


「高い」


 見ていたらしい。


 結局。


 無難で丈夫な服を一着購入した。


 銀貨が減った。


「思ったより金って減るな……」


「せいぜい無駄遣いしないことね」


 シエルは容赦がない。



 その後。


 二人は屋台通りを歩いていた。


 すると。


 香ばしい匂いが鼻をくすぐる。


「なんだこれ」


「串焼き」


「うまそう」


「そうね」


 ユウトは迷わず購入した。


 そして一口。


「うまっ!!」


 思わず叫んだ。


 肉汁が溢れる。


 香辛料の香りも良い。


「うまい!」


「大袈裟」


 シエルは呆れた顔をしている。


「絶対うまいから食ってみろって」


 一本差し出す。


 シエルは少し迷った後。


 一口だけ齧った。


 しばらく無言。


「どうだ?」


「……おいしい」


「だろ!?」


 なぜかユウトが誇らしげだった。



 日が沈み始める。


「そういえば宿は?」


 ユウトが尋ねた。


「まだ決めてない」


「洞窟じゃダメ?」


「いいと思ってるの?」


 即答だった。


「ですよねー」


 街に住むなら宿が必要だ。


 当然と言えば当然だった。


 そして二人は宿を探し始める。


 今日一日だけでも色々あった。


 初依頼。


 初討伐。


 初報酬。


 初めての買い物。


 冒険者になった実感が、少しずつ湧いてくる。



 その夜。


 宿のベッドへ倒れ込む。


「疲れた……」


 柔らかい。


 洞窟の床とは大違いだった。


 ユウトは天井を見上げる。


 終焉竜。


 レベル。


 補佐機構。


 分からないことだらけだ。


「まぁ、いっか」


 考えても仕方ない。


 今は眠い。


 目を閉じる。


 その瞬間だった。


《進化条件を更新しました》


「ん?」


 ユウトが目を開く。


《条件不足》


「なんなんだよ……」


 その言葉を最後に。


 ユウトは深い眠りへ落ちていった。

第十九話を読んでいただきありがとうございました!


初めてのお金。

初めての買い物。

初めての宿。


少しずつですが、ユウトもこの世界での生活に慣れ始めています。


そして最後に現れた「進化条件」。


補佐機構は相変わらず説明不足ですが、どうやら何かが進んでいるようです。


次回もお楽しみいただけると嬉しいです!

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