第十五話 初めての魔物
第十五話です!
ユウト、初めての依頼へ向かいます!
街を出てしばらく。
ユウトたちはホーンウルフの生息する森へと足を踏み入れていた。
「思ったより普通の森だな」
「そう?」
シエルは周囲を見渡しながら歩いている。
警戒しているのだろう。
対してユウトは少し緊張していた。
これが冒険者としての初依頼。
そして人生初の魔物討伐だ。
「なぁシエル」
「なに」
「ホーンウルフって強いのか?」
シエルは少し考えた。
「初心者なら死ぬかもね」
「怖っ!?」
思わず足が止まる。
「でも初心者向け依頼だったぞ!?」
「だから初心者でも受ける」
「いやいやいや」
「これが討伐出来なきゃその冒険者にはどのみち先はないわ」
「……そうですか」
初心者向けとは。
ユウトはその言葉の意味を考え直した。
◇
森の中を進んでいると。
ふと頭の中で声が響いた。
《解析開始》
「おっ?」
視界の端に文字が浮かぶ。
【薬草】
品質:低
「おぉ」
さらに別の草を見る。
【薬草】
品質:中
「便利だなこれ」
「どうしたの?」
「いや、なんか見える」
「また?」
シエルは少しだけ呆れた顔をした。
最近のユウトは突然叫ぶことが多い。
「今度は薬草だ」
「薬草?」
「品質が分かる」
「……変な能力ね」
「そうなのか?」
「少なくとも聞いたことはない」
ユウトは少し嬉しくなった。
終焉竜っぽい能力が増えてきた気がする。
まあ本人はまだ弱いと思っているが。
◇
それからさらに進む。
すると。
《反応確認》
「ん?」
ユウトの足が止まる。
シエルも同時に周囲を見渡した。
「気づいた?」
「何かいる?」
シエルは頷く。
「いる」
その時。
草むらが揺れた。
ガサッ。
ユウトは思わず身構える。
そして。
ゆっくりと現れた。
灰色の毛並み。
鋭い牙。
額に生えた一本の角。
【ホーンウルフ】
危険度:D
脅威評価:低
「いた……」
初めて見る魔物だった。
思っていたより大きい。
大型犬どころではない。
普通の狼より一回り以上大きい。
「結構怖いな」
「一匹なら問題ないでしょ」
シエルが言う。
だが。
その直後だった。
ガサッ。
ガサガサッ。
別の草むらも揺れた。
「……ん?」
ユウトの額を嫌な汗が流れる。
さらに。
ガサッ。
ガサッ。
ガサガサッ。
森の奥で赤い瞳が光った。
一つ。
二つ。
三つ。
四つ。
五つ。
六つ。
七つ。
八つ。
「……なぁ」
「なに」
「群れって何匹から群れ?」
シエルは少し数える。
「十匹くらい?」
「多くね!?」
思わず叫んだ。
目の前には既に十匹近いホーンウルフ。
しかもまだ増えている気がする。
するとシエルは平然と言った。
「ホーンウルフは群れで行動する魔物だから」
「聞いてねぇ!!」
「言った」
「そうだっけ!?」
ユウトの叫びが森に響いた。
ホーンウルフたちは、そんな二人を囲むようにゆっくりと距離を詰めてくる。
人生初の魔物討伐。
どうやら、思っていたより大変そうだった。
ついにホーンウルフ登場!
でも思ったより数が多いようです。
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