第百二十五話 山麓の集落
仲間を迎えに行く。
その想いだけを胸に、ユウト達は山へと足を踏み入れます。
新たな旅の始まりです。
ユウト達は白い羽の導きを頼りに森を進んでいた。
日は高く昇り、木々の隙間から木漏れ日が差し込む。
◇
「結構歩いたっすね」
シアが額の汗を拭う。
「まだ光ってるな」
ユウトは羽を見つめる。
淡い光は変わらず一つの方向を示していた。
「止まる気配はないっす」
「なら進もう」
森を抜けると小さな集落が姿を現した。
「村?」
木造の家が十数軒。
煙突からは煙が立ち上り、人々が静かに暮らしている。
決して大きくはない。
だがどこか落ち着く雰囲気だった。
「今日はここで情報を集めるか」
二人は集落へ足を踏み入れる。
「旅人かい?」
薪を割っていた老人が声を掛けてきた。
「この先へ向かってるんだ」
ユウトが羽を見せる。
老人の手が止まる。
「……その羽」
「知ってるのか?」
「いや……」
老人は首を横に振る。
「知っているというより…昔、祖父から聞いた話じゃ」
「白き羽に導かれし者だけが、山の奥へ辿り着ける……とな」
「山の奥?」
「昔話じゃよ」
老人は苦笑した。
「この山は不思議でな…入っても、同じ場所へ戻ってくる者がおる」
「道が消えたと言う者もおるし、幻を見たと言う者もおる」
「じゃが……」
老人は羽を見つめる。
「その羽を持つ者の話だけは、昔から別じゃ」
「何か知ってるんすか?」
シアが身を乗り出す。
「知らん」
老人は笑った。
「わしも昔話を聞いただけじゃ」
「じゃが、その羽は……」
「持ち主がお前さん達を導いておるんじゃろうな」
◇
ユウトは羽を握る。
「シエル……」
胸の中で必ず迎えに行くという決意が、さらに強くなった。
第百二十四話をお読みいただきありがとうございました!
今回はシエルが残した手掛かりを追い、ユウト達が新たな一歩を踏み出す回となりました。
旅の先には、まだ知らない景色や出会いが待っています。
そして次回は、山麓にある小さな集落が舞台となります。
第二章の世界も少しずつ広がっていきますので、引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです!
それではまた次回!




