第百二十四話 白い羽の導き
仲間を信じる。
その想いだけを胸に、ユウト達は新たな一歩を踏み出します。
ユウトは白い羽を手のひらに乗せる。
「これが手掛かりか」
羽には僅かな魔力が宿っていた。
「追えるっすか?」
シアが不安そうに尋ねる。
「分からん」
ユウトは素直に答えた。
「でもシエルが残したんだ」
「意味がないはずがない」
シアは小さく頷く。
「そうっすね」
◇
二人は宿を後にした。
まずは街の外へ向かう。
羽は風に揺れながら、僅かに淡い光を放っている。
「気のせいか?」
ユウトが呟く。
「いえ」
シアは羽を見つめる。
「魔力が反応してるっす」
その光は一つの方向を示していた。
「こっちか」
二人は歩き出す。
街道を進む。
やがて人通りは少なくなり、森の入口が見えてきた。
「……」
シアは足を止める。
「どうした?」
「主」
「この先、シエルの魔力が少しずつ濃くなってるっす」
ユウトは羽を見つめる。
やはり残したのではない。
残してくれたのだ。
「待ってろ」
小さく呟く。
「必ず迎えに行く」
その決意を胸に二人は森の奥へと足を踏み入れた。
◇
一方、その頃。
◇
シエルは一人、山道を歩いていた。
振り返ることなく。
前だけを見つめて。
「来ちゃ……だめ」
そう呟いた唇とは裏腹に
胸の奥では。
◇
(助けて……)
◇
その想いだけが静かに募っていた。
第百二十四話をお読みいただきありがとうございました!
今回はシエルが残した手掛かりを頼りに、ユウト達が動き出す回となりました。
別れではなく、託された想い。
そう信じるユウトだからこそ、迷うことなく歩き出すことができました。
ここから舞台は少しずつ新たな場所へ移っていきます。
第二章の冒険も、ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです!
それではまた次回!




