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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百二十三話 失踪

 穏やかな日々は、突然終わりを迎えることがあります。


 その日もまた、いつもと変わらない朝が始まる――はずでした。

 翌朝。


「ふわぁ……」


 ユウトは大きくあくびをしながら目を覚ました。


「今日もレベル上げだな」


 軽く体を伸ばし、部屋を出て食堂へ向かう。


「おはようっす」


 シアは既に朝食を食べていた。


「おはよう」


 席に着き、周囲を見回す。


「シエルは?」


「それがまだ来てないっす」


「え?」


 ユウトは首を傾げた。


「部屋にもいなかったっす」


「珍しいな……」


 いつもならシエルは誰よりも早起きだ。


「宿の人に聞いてみるか」


 二人は宿の主人へ声を掛けた。


「あぁ、銀髪のお嬢さんかい? 夜明け前に出て行ったよ」


「夜明け前?」


「珍しいっすね……」


 二人はシエル達の部屋へ向かう。


 すると、机の上に一枚の紙が置かれていた。



『ごめんなさい』



 たったそれだけ。


「……」


 ユウトは紙を見つめる。


「主」


 シアが小さく声を掛ける。


「シエルらしくないっす」


「……あぁ」


 ユウトも同じことを思っていた。


 何かあった。


 昨日までの様子を思い返せば分かる。


 それでも何も聞かなかった。


「俺が待つって言ったからな」


 小さく呟く。


 後悔はしていない。


 だが放っておくつもりもなかった。


 その時、窓際で何かが風に揺れた。



 一枚の白い羽。



「これ……」


 シアが拾い上げる。


「シエルの……?」


 ユウトは羽を見つめる。


 ほんの僅かに魔力が残っている。


「たまたま落ちていくようなもんじゃない…」


「残していったんだ」


 シアがユウトを見る。


「主」


「行くぞ」


 迷いはなかった。


「迎えに行く」


「俺たちの仲間だから」


 その一言で十分だった。


 ユウトは白い羽を握り締める。


 シエルが何を抱え、どこへ向かったのかは分からない。


 それでも迎えに行く理由は一つだけだった。


 仲間だから。

 第百二十三話をお読みいただきありがとうございました!


 ついに第二章が大きく動き始めました。


 シエルの失踪、残された短い言葉、そしてユウトの決意。


 ここからは新たな舞台へ向けて物語が進んでいきます。


 シエルが何を想い、どこへ向かったのか。


 その答えも少しずつ明らかになっていきますので、引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです!


 それではまた次回!

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