表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
121/157

第百二十一話 揺れる想い

 少しずつ日常に戻り始めたユウト達。


 ですが、その穏やかな時間の裏では、静かに運命が動き始めていました。

 依頼を終えたユウト達は宿へ戻っていた。


 今日も一日何事もなく終わった。


 そう思っていた。


「ふぅー!」


 ユウトがベッドへ倒れ込む。


「今日もよく動いたな」


「主は食べただけっす」


 シアが呆れたように言う。


「違うぞ」


「戦った」


「食べた」


「レベルも上がった」


「全部大事だ」


「レベルより食べるが先に出てくる時点でダメっす」


 シアは大きくため息をついた。


 そんな二人のやり取りを見て、シエルは小さく笑う。


「ふふっ」


 久しぶりに見た自然な笑顔だった。


「笑った!」


 ユウトが嬉しそうに言う。


「昨日から元気なかったから少し安心した」


「……え?」


 シエルは驚いたように目を見開く。


「やっぱり気付いてたんだ」


「そりゃな」


 ユウトは照れくさそうに頭を掻いた。


「でも話したくないなら無理に聞かないから、話したくなったら話してくれ」


「俺達は待ってるから」


 その言葉にシエルは胸が締め付けられる。


「……ありがとう」


 それだけ言うのが精一杯だった。



 深夜。


 二人が寝静まった頃。


 シエルは静かに宿の外へ出る。


 夜風が頬を撫でる。


「……」


 目を閉じた瞬間、再び声が響いた。



『帰還命令は届いているな』


「……はい」


『何故戻らない』


 返事ができない。


『監視対象に情でも移ったか』


「違います」


 思わず否定する。


 だがその声には迷いがあった。


『ならば証明しろ』


「……」


『次の報告まで猶予を与える』


『それまでに帰還せよ』


 そこで声は途切れた。


 シエルは空を見上げる。


「私は……」


 答えは出ない。


 宿の窓から漏れる灯り。


 そこには安心して眠るユウト達がいる。


 帰れば命令を果たさなければならない。


 残れば命令に背くことになる。


 どちらを選んでも、誰かを裏切る。



「ごめんなさい……」



 その謝罪は誰へ向けたものなのか。


 シエル自身にも分からなかった。

 第百二十一話をお読みいただきありがとうございました!


 今回はシエルの葛藤を中心に描いた一話となりました。


 信頼してくれる仲間と、自分に課せられた使命。


 その狭間で揺れ動くシエルの想いが、少しでも伝わっていたら嬉しいです。


 物語も少しずつ核心へ近づいていきます。


 引き続き第二章をよろしくお願いいたします!


 それではまた次回!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ