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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百二十話 隠し事

 少しずつレベルを上げながら、いつもの日常を取り戻し始めたユウト達。


 ですが、その日常にも少しずつ変化が訪れようとしていました。

 ユウト達は再び依頼を受けていた。


「今日は何食べるんすか?」


 シアが真顔で聞く。


「依頼を受けるんだ」


「食べる前提じゃないっすか」


「………」


 ユウトは何も言い返せなかった。


 図星だった。



 目的地へ向かう道中シアは相変わらず騒がしい。


 ユウトもいつも通り。


 だがシエルだけが静かだった。


「……」


 昨日からずっとそんな調子だ。


「なぁシエル」


「なに?」


「何かあったか?」


 一瞬だけシエルの肩が震えた。


「何もないわ」


 返事は昨日と同じだった。


 ユウトは少し考える。


「…ならいいけど」


 それ以上は聞かなかった。


 聞かれたくないこともある。


 そう思ったからだ。


 シエルは少しだけ目を伏せた。


「……ごめんなさい」


 小さな声。


「ん?なんか言ったか?」


「何でもないわ」


 風に消えるほど小さかった。



 そのまま依頼を終え三人は街へ戻る。


 宿へ戻る途中。


「主」


 シアが小声で話しかける。


「シエル、絶対何かあるっす」


「やっぱりそう思うか?」


「昨日からずっと変っす」


 ユウトも頷く。


「でも話したくなったら話してくれるだろ」


「それまでは待つ」


 その言葉を少し離れた場所で歩いていたシエルは、静かに聞いていた。


「……」


 胸が痛む。


 隠したくて隠しているわけではない。


 けれど今はまだ話せない。


 話してしまえばこの穏やかな日常は、終わってしまう気がした。

 第百二十話をお読みいただきありがとうございました!


 今回はユウト達の日常と、その裏で揺れ動くシエルの心情を描きました。


 信じてくれる仲間がいるからこそ、隠し事をしていることが苦しくなる。


 そんなシエルの葛藤も少しずつ描いていけたらと思っています。


 そして第二章の物語も、ゆっくりと本筋へ向かって動き始めます。


 それではまた次回!

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