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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百十九話 呼び声

 レベル上げの日々は続きます。


 ですが、少しずつ日常の歯車が動き始めようとしていました。

 翌朝


 シエルは一人、宿の外へ出ていた。


 まだ日も昇りきっていない。


 静かな朝だった。


「……」


 目を閉じる。


 すると。


 頭の中へ直接響く声。



『ア…シエル』



 その名を呼ばれた瞬間。


 シエルの表情が僅かに曇る。



『聞こえているな』



「……はい」


 静かに返事をする。



『長らく報告が途絶えている』


『監視対象の状況を報告せよ』



 短い言葉だが彼女には十分だった。


「……問題ありません」



『本当にそう判断しているのか?』



「はい」


 少しだけ間が空く。



『ならば帰還せよ』



 その一言で空気が凍った。


「……」



『……シエル』


『これは命令だ』



 声は途切れた。


 シエルはしばらくその場を動かなかった。


「帰還……」


 小さく呟く。


 その時だった。


「シエル?」


 後ろからユウトの声。


 シエルは振り返る。


 いつもの笑顔を作った。


「どうした?こんな朝早くから」


「何でもないわ」


「そうか」


 ユウトは本当にそう思った。


 疑いもしない。


 その無邪気さが今は少しだけ苦しかった。



 朝日が昇る。


 新しい一日が始まる。


 だがシエルの胸には消えない迷いが生まれていた。

 第百十九話をお読みいただきありがとうございました!


 今回はシエルの様子に少しだけ変化が現れました。


 まだ多くは語られませんが、ここから第二章の物語が少しずつ動き始めます。


 ユウト達の成長とともに、それぞれが抱える過去や想いにも触れていく予定です。


 引き続き第二章をよろしくお願いいたします!


 それではまた次回!

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