第百十五話 進化の結果
研究所事件を乗り越え、進化を果たしたユウト。
ようやく一息ついた彼は、自身の変化を確認することにしました。
そして第一章も今回で一区切りとなります。
《個体名:ユウト》
見慣れた文字が浮かび上がる。
ユウトは少し期待していた。
研究所。
黒幕。
進化。
色々あった。
きっと凄いことになっている。
そんな予感がしていた。
そして次の文字が表示される。
◇
《種族:終焉竜王(幼年体)》
◇
「おぉ」
何か凄そうだった。
よく分からないが凄そうだった。
そしてさらに下へ視線を移す。
◇
◇
《レベル:1》
◇
◇
「…………」
◇
沈黙。
◇
数秒。
◇
思考停止。
◇
◇
「は?」
思わず声が漏れた。
見間違いだろう。
もう一度見る。
◇
◇
《レベル:1》
◇
◇
「いやいやいやいやいや!」
ベッドから飛び起きた。
何かの間違いだ。
そうに違いない。
「補佐機構!」
《はい》
「レベルが1なんだけど!?」
《正常です》
「正常じゃないだろ!?」
即答だった。
《進化に伴いレベルは初期化されました》
「初期化…だと!?」
◇
◇
初期化。
◇
◇
嫌な言葉だった。
◇
◇
「つまり?」
《レベル1です》
「知ってる!見りゃ分かるよ!」
ユウトが叫ぶ。
補佐機構は冷静だった。
いつも通り。
《個体性能は進化前を大きく上回っています》
「それなら最初に言え!」
少し安心した。
少しだけ。
だが問題は残る。
「じゃあ俺またレベル上げやり直し?」
◇
《はい》
◇
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
頭を抱えた。
ようやく強くなったと思ったのに。
またレベル1。
また最初から。
理不尽だった。
だが不思議と嫌ではなかった。
前とは違う。
仲間もいる。
帰る場所もある。
そしてまだ見たことのない景色が待っている。
◇
「まあ」
ユウトは笑った。
「何とかなるか」
その言葉に補佐機構が答える。
◇
《肯定》
《何とかなります》
◇
少しだけ機械らしくない返答だった。
ユウトは苦笑する。
「だよな」
◇
レベル1。
◇
だが。
◇
物語はまだ始まったばかりだ。
◇
◇
第一章 完
第一章最終話をお読みいただきありがとうございました!
ユウトの旅はレベル1から始まり、そして再びレベル1へ戻ってきました。
ですが最初の頃とは違い、今のユウトには仲間がいて、帰る場所があり、積み重ねてきた経験があります。
研究所事件を通して得たものは決して小さくありません。
そして物語はここで終わりではなく、新たな冒険へと続いていきます。
ここまで第一章を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!
それでは第二章でお会いしましょう!




