第百十四話 報酬
研究所事件も無事に解決し、久しぶりの平和な時間が戻ってきました。
ですが、ユウトにはまだ確認していないことが一つあります。
翌日。
ユウト達はギルド長室へ呼ばれていた。
部屋にはダン。
そしてフィーナの姿もある。
「さて」
ダンが机へ書類を置いた。
「研究所事件の報酬だ」
ユウトの目が輝く。
「おぉ!」
金貨だった。
かなり多い。
正確な金額はよく分からない。
だが。
多い。
それだけは分かった。
「主、顔が緩んでるっす」
「気のせいだ」
「緩んでるわね」
シエルが追撃した。
ユウトは慌てて表情を引き締めるが無駄だった。
全員にバレている。
「それと」
ダンが続ける。
「今回の件についてギルドから正式な感謝状も出る」
「感謝状?」
ユウトが首を傾げる。
「冒険者としては名誉なことですよ」
フィーナが補足する。
「へぇ」
反応が薄かった。
ダンが呆れる。
「金より興味がない顔をするな」
「だって紙だし」
即答だった。
フィーナが吹き出した。
◇
その日の夜。
ギルドでささやかな宴が開かれた。
研究所事件の解決。
その功績を称えるためだ。
冒険者達も集まっている。
◇
酒。
料理。
笑い声。
◇
久しぶりに平和な空気だった。
「これ美味いな」
ユウトが肉を頬張る。
「それ五皿目っす」
シアが呆れる。
「まだ五皿だろ」
「十分多いわよ」
シエルも呆れていた。
◇
楽しい時間はあっという間だった。
宴も終わる。
部屋へ戻る。
久しぶりに一人だった。
「疲れたな」
ベッドへ倒れ込む。
研究所。
黒幕。
被験体達。
色々あった。
だがようやく終わった。
「そういや」
ふと思い出す。
「進化したんだったな」
補佐機構を呼び出す。
確認していなかった。
ステータスを。
「見せてくれ」
その瞬間見慣れた文字が浮かび上がる。
◇
《個体名:ユウト》
◇
そして――。
第百十四話をお読みいただきありがとうございました!
今回は報酬や宴会など、久しぶりに穏やかな時間のお話でした。
研究所での戦いは大変なものでしたが、こうして笑い合える日常が戻ってきたことは何よりの報酬かもしれません。
そしてユウトは、進化後の自分をまだよく知りません。
それではまた次回!




