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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百十二話 報告書という名の敵

 長い戦いを終えたユウト達。


 ですが本当の試練は、まだ終わっていなかったのかもしれません。

 王都ギルド応接室


 ユウト達の前には数人の職員が座っていた。


 全員真面目な顔をしている。


 レオンも真面目だった。


 ユウト以外は。


「眠い」


 開始三分でユウトが机に突っ伏した。


「起きろ」


 レオンが即座に頭を叩く。


「痛っ」


「まだ報告も終わっていない」


「長いんだよ」


「当然だ」



 研究所事件。


 被験体。


 違法実験。


 失踪者。



 報告する内容は山ほどあった。


 そして問題は別にある。


「それで」


 一人の職員が口を開く


「黒幕はどのように討伐されたのですか?」


 空気が固まった。


「……」


「……」


「……」


 ユウト。シエル。シア。


 三人同時にレオンを見る。


「なぜ私を見る」


 レオンが額を押さえた。


「説明係だから」


 ユウトが真顔で答える。


「お前も当事者だろ」


「いや俺あんまり覚えてなくて」


 半分本当だった。


 進化した辺りから記憶が曖昧である。


 レオンは深いため息を吐いた。


「黒幕は終焉因子の暴走によって自壊しました」


 無難な説明。


 嘘ではない。


 全部が本当でもないが。


「なるほど」


 職員が頷く。


 信じてもらえたことにレオンは少し安心した。


 その時だった。


「ところで」


 別の職員が資料を見ながら言う。


「巨大な竜が三体確認されたとの報告がありますが」




 沈黙。




「……」


「……」


「……」


「……」


 レオンまで黙った。


 職員が首を傾げる。


「何か?」


「気のせいでは?」


 ユウトが言った。


「気のせいでは?」


 シアも言った。


「気のせいね」


 シエルも続いた。


 職員が困惑する。


「三人同時に気のせいと言われましても……」


「さすがにそれは何かの間違いだ!そんなものいなかった!なっなぁお前ら!」


 レオンまで乗っかった。


 職員は黙った。


 何も分からなかった。


 そしてレオンも少しだけ自分が何をしているのか分からなくなった。




 数時間後。



 ようやく報告が終わる。


 ユウトは椅子にもたれて空を見上げた。


「黒幕より強かったな」


「何がだ」


 レオンが聞く。


「報告書」


 全員が頷いた。

 第百十二話をお読みいただきありがとうございました!


 今回は王都での報告回でした。


 研究所事件の真相を説明し、残された問題を整理する大切な時間です。


 ……大切なのですが、どうやらユウト達にとっては別の意味で大変だったようです。


 それではまた次回!

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