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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百十話 後始末

 長かった研究所での戦いも終わりを迎えました。


 それぞれが抱えていた想いを胸に、帰還の準備が始まります。

 朝日が昇る。


 長かった夜が終わった。


 研究所跡地。


 そこには崩壊した建物と戦いの爪痕だけが残っていた。


「終わったな」


 レオンが呟く。


「終わったっすね」


 シアが頷く。


「本当に終わったのかしら」


 シエルがレオンを見る。


「何だその目は」


 レオンが警戒する。


「いや、まだ説明が残ってるなと思って」


「やめてくれ」


 即答だった。


 もう疲れている。


 精神的に。


 かなり。


 ユウトはそんなやり取りを見ながら瓦礫を片付けていた。


「これで最後か」


 大きな岩をどかす。


 その下には研究資料の一部が残されていた。


 レオンが回収する。


「これで研究所の件は証明できるな」


「全部燃やした方が良くないか?」


 ユウトが言う。


「駄目だ」


 レオンが首を振る。


「被害の記録は残さなければならない」


 その声は真面目だった。


 ユウトも頷く。


 No.1。


 被験体達。


 彼らがいた証まで消してはいけない。


「そうだな」


 小さく呟いた。




 その日の昼。


 被験体達の眠る場所へ簡易的な墓が作られた。


 豪華なものではない。


 だが誰も忘れないように。


 ユウト達は静かに手を合わせる。


「これでいいのか?」


 ユウトが呟く。


「分からないわ」


 シエルが答える。


「でも」


 少しだけ微笑んだ。


「忘れないことが大事なんじゃないかしら」


 ユウトは頷いた。


「お前たちこの度は本当にありがとう」


 老人が涙を流しながら深々と頭を下げた。


「じぃさんはこれからどうするんだ?」


「この寿命がいつまで続くかわからんが、この身が朽ちるまではここでみんなの墓を守ろうと思っとるよ」


「そっか……俺も時々墓参りに来るよ」


「ありがとう」


 そう言って老人は村へ戻っていった。




 そして夕方。


 帰還の準備を終えた一行。


 レオンが三人を見る。


「一応言っておく」


 真剣な顔。


「お前達のことは報告しない」


 全員が止まった。


「いいのか?」


 ユウトが聞く。


「言っても信じてもらえん」


 レオンが即答した。


「それもそうっすね」


 シアが笑う。


「だが」


 レオンが続ける。


「いつか説明しろ」


 その言葉に。


 ユウト達は顔を見合わせた。


「そのうちな」「そのうちっす」「そのうちね」


 三人同時だった。


 レオンの額に青筋が浮かぶ。


「絶対説明する気ないだろお前ら!」


 研究所跡地に久しぶりの笑い声が響いた。

 第百十話をお読みいただきありがとうございました!


 今回は研究所編の後始末のお話でした。


 失われた命を悼み、残された証を回収し、それぞれが戦いの終わりを受け入れていきます。


 そしてレオンもまた、大きな秘密を抱えることになりました。


 それではまた次回!

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